月別アーカイブ: 2018年11月

スペイン – コルドバ (Córdoba)

公開: 2018/11/13
動画追加編集: 2018/11/19

グラナダからコルドバへ移動、お昼ごろ到着。

コルドバは、ローマ時代にグアダルキビル川 (Rio Guadalquivir) を航行する船舶の上流へ到達できる限界に築かれたそうです。コルドバのあたりで川が大きく蛇行し、川幅も広くて港が作りやすかったんでしょうか。
他の多くの都市と同じように、ローマ帝国〜イスラム教〜キリスト教と栄枯盛衰の歴史を繰り返してきました、とエラそうな話は案内書の受け売りです。
個人的には花の街という思い込みがどこかにあったので、10月なら花はないやろな〜と思っていましたが、面白いイベントに出会いました (後述)。

ホテルの目の前が有名なメスキータ (La Mezquita、イスラム教のモスク) の南側ファサードで、グアダルキビル川にかかるローマ橋 (Puente Romano) も歩いてすぐです。

ローマ橋のメスキータ側にあるプエンテ門 (Puerta del Puente)

ローマ橋、橋の向こうに見えるのがカラオラの塔 (Torre de la Calahorra)


カラオラの塔は、イスラム時代の資料や模型などが展示されている、アル・アンダルス博物館となっています。
入ってないので、内部の様子は分かりません。

 

カラオラの塔から見たプエンテ門と “サンラファエルのトリウンフォのモニュメント”

ローマ橋(下流側)

メスキータの南東にアルカサルがあります。アルカサルは城を意味する一般名詞ですが、コルドバにあるのは “キリスト教徒の王たちのアルカサル” (Alcázar de los Reyes Cristianos) という長い名前が付いています。

右手に馬場があります

新大陸発見のための資金援助を求めて、フェルナンド2世 (Fernando el Católico) とイサベル1世 (Isabel la Católica) に謁見するコロンブスの像

庭園の噴水がきれいです
 

メスキータの方へ戻って、有名な花の小道 (Calleja de las Flores) へ行ってみました

BSの”世界で一番美しい瞬間(とき)” というコルドバのパティオ祭りを扱った番組で紹介されていた、おじさんと少年の像 (勝手な命名です) がありました。
これは、地元の作家ホセ・マヌエル・ベルモンテ (José Manuel Belmonte) さんの作品で、テレビ画面に映った Plaza de Manuel Garrido Moreno という場所を検索したらホテルの近くでした。

もうひとつ、番組で紹介されたベルモンテさんの作品がありました。これは場所がわからず、ホテルのフロントの女性に画面を見せたら知っていました。
写真の撮り方が下手で、花鉢に水遣りをする女性が背景に埋まってしまいました (泣)
 
ここは、何人もの観光客が入れ替わり写真を撮っています。

ちなみに、コルドバのパティオ祭りは毎年5月に開かれ、期間中は家々のバルコニーやパティオの花の美しさを競い合うそうです。

ウロウロしているうちに日も暮れてきて、

ホテル近くのバルへ
ビールとサングリア、ガスパッチョ、生ハム、コロッケ(?)
   
   

グラナダ二日目は、メスキータへ。
入場料は €10ですが、月曜〜土曜の朝8時30分〜9時30分は無料なので、8時過ぎに行ったらすでにこの行列 !
けっこう寒かったので(?)、ブレてます。

内部の二重アーチは有名ですね

アーチ部分を修復したのとオリジナルの違い。オリジナルの部分はレンガ自身の赤褐色(積んだレンガの端面が見えている)ですが、修復部のは塗装です。

メスキータ創建時にあったカトリック教会の遺跡、床のモザイクが保存されていました

礼拝の間の正面に、メッカのカアバ (Kabah) 神殿に向いているキブリ壁 (muro Kibli) があり、ミフラーブ (Mihrab) という小部屋のような窪みがあります。

ミフラーブの手前の天井、構造や装飾がなんとも見事で光の取り入れもすごいです。

実際にメッカを向いているのかミフラーブの前で方位を見てみると、左のように147°でした。
地球上の2地点の距離・方位を計算するサイトで、メスキータとメッカの緯度・経度を入力すると108°余りになりましたが、アプリの測定誤差かなと納得しました。イスラムの皆さまゴメン

 

 

 


メスキータ内の鐘楼、無料時間終了の9時半になったらガンガン鳴らしていました。

 鐘の音に追い出されて、市内を歩くことにしました。

ローマ橋の上流のミラフローレス橋 (Puente de Miraflores)

ビアナ侯爵邸 (Palacio de Viana)
典型的なアンダルシア風邸宅だそうで、パティオが12もありました。

比較的大きなパティオに入ると、前衛的というか全く雰囲気の違うものがあり、見てみると国際フラワーフェスティバルの展示の一つでした。

これは、イギリス、日本、スペイン、ベルギー、ロシア、中国の6人のアーティストが市内のパティオや庭園でオリジナルの作品を展示するお祭りでした。
その期間がなんと今でしょ!(古い?)ということで、他の展示も見に行くことにしました。

 

 

 

このパティオで展示していたのは、中国の Sherlovell Yu さんの “Flowing”


ロシアの Natalia Zhizhko さんの “Here Comes the Sun”

    

スペインの Lola Guerrera さんの “Perseida”


パティオ巡りの間もビールは欠かせません
     

日本の Hideyuki Niwa さんの “Driven by Passion”

イギリスの Carly Rogers さんの “Folly”

ベルギーの Mark Colle さんの “The Children of the Park”
     

パティオ祭りはもちろん季節が違いますが、こんな展示があるとはラッキーでした。

メスキータやビエナ侯爵邸、フラワーフェスティバルの展示場などを巡って、この日はヘルスケア・アプリによると14Km近く歩き回りました。

ホテル近くのバルで夕食(の一部)、サンミゲルを飲んでみました。

明日は、最後の宿泊地マドリッドへ列車で移動します。
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スペイン – アルハンブラ宮殿

公開: 2018/11/08
編集: 2018/11/08

グラナダ三日目にアルハンブラ宮殿 (Palacio de la Alhambra) へ行きました。

アルハンブラ宮殿の入場チケットは取りにくいと聞いていましたが、ナスル朝宮殿(Nasrid Palaces)への入場日時がオフシーズンに近い時期なのに空きが無く、日にちをずらしました。ハイシーズンでは3ヶ月前でも日時によっては難しいそうです。
また、予約時にパスポート番号や年齢、性別、自宅住所、メールアドレスなどの入力が必要で、とても厳しいです。無料の子供でもチケットが無いと入場できません。
かって高値で転売するブラックマーケット(?)があって、本人確認のために厳しくなったとタクシーの運転手さんが言ってました。


ところが実際には、予約完了時のPDF(プリント、スマホ画面)を係の人がゲートでスキャンするだけで、パスポートを見せろなどとは言われませんでした。
以前は、予約時のクレジットカードを確認してチケットを発行するなどいろいろやっていたようです。途中で出ても、再入場できます。
パンフレットは二人で行っても1枚しかもらえません。知らん顔して別々に通過すればもらえるかも。ほとんどスペイン語です。

LA ALHAMBRA と書いてある右が入口ですが、グループと個人に分かれています。
なぜか、グループの方に長い列ができていました。
この日は朝から雨で、結局午後遅くまで本降りでした!

ナスル朝宮殿の予約は午後1時だったので、先にヘネラリフェの方へ歩いていきます。
左手にアルハンブラ宮殿内の建物が見えます。

ヘネラリフェ庭園

こういった噴水があちこちにあって、水源は何?と思いました。
アルハンブラは丘の上にあるので、何らかのエネルギーを与えない限り、より高い位置に水源がないと水が来ないはずです。

宮殿のあたりは標高780mくらい ですが東側に800〜1000mの台地があり、そこの貯水池が水源という記事がありました。
この記事によれば、全長6Km、高低差20mの水路を作ったとなっています。
南東にあるシエラネバダの雪解け水が水源という記事も多くありましたが、水脈としては同じではないでしょうか。

敷地内に、水の塔に繋がる水道橋がありますが、ここまで来て貯水し、熊本にある通潤橋などと同じ原理(逆サイフォン)の閉じた管状の水路で噴水まで繋いでいるのではと思います。ただ、大規模な水道橋は現存していないので、貯水池からアルハンブラの丘までの水路も同じ形式ではなかったかと。
場所は忘れましたが、修復中?のレンガ造りの水路らしきものには蓋がありました。

日本では伏越(ふせこし)あるいは噴水管などと呼ぶそうですが、古人の技術は大したものです。

ヘネラリフェをぐるっと回って、アルハンブラ宮殿へ入ります。
糸杉が刈り込まれた「セカーノの散歩道」

サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会

カルロス5世宮殿、周りのイスラム建築と全く違うルネサンス様式

カルロス5世宮殿の内部

ナスル朝宮殿へ入るのを待っている人たちと、列に並んで!と追い返す係のおばさん
 

メスアールの間の木組みの天井

メスアールの中庭

コマレス宮のアラヤネスの中庭
晴れていれば、コマレスの塔が水面に映ってキレイなんだそうですが残念!

ライオンの中庭、言われないとライオンには見えないんですが … (カピバラ?)

建物内部の装飾は、壁も天井もすごいの一言です
 
 
 

繰り返しの文様はユニット化しているようですが、単にサンプルを展示してるだけ?
説明文には plaster とありますが、石膏と漆喰とどっちでしょうか?
  

宮殿中庭と水盤、雨の中きれいでした

Washington Irving がアルハンブラ物語を書いたという部屋があります
本は買いましたが、ちょっとしか読んでません

修復しているところの防護シートになぜか日本語が

雨の中、アルカサバから見た、ナスル朝宮殿入場待ちの行列

同じく、アルカサバから見たアルバイシン地区

アルハンブラについては旅行記が山ほどありますので、下手な説明はこの辺で …
歩き疲れて、雨も止んだので(雨でも行きますが)、ヌエバ広場のバルへ
 
カウンターのお兄さんが愛想が良くて、一緒に出てくるタパスもおいしかった

これはまた別のバルで、アンチョビの唐揚げ
 
アヒージョ

茄子の揚げ物+甘いソース

お昼もいったん外へ出たんですが、今日もビールばっかりの楽しい1日でした。
明日はコルドバへ
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スペイン – グラナダ(Granada)

公開: 2018/11/07
編集: 2018/11/07

マラガからグラナダへ、バスで2時間弱。
ホテルはアルハンブラ宮殿入口から徒歩5分くらいで便利ですが、街の中心からはちょっと離れています。街へ行き来するにはアルハンブラバスが便利です。
アルハンブラ宮殿(La Alhambra、宮殿・要塞、スペイン語で言うとラランブラだそうですが区別はつきません)、ヘネラリフェ(El Generalife、王族の夏の離宮)、アルバイシン(El Albayzín、イスラム教徒の居住区)の三つが世界遺産に登録されています。
アルハンブラ宮殿については別の記事にまとめます。

チケットの予約日時は2日後なので、ホテルでゆっくり朝食のあと、ぶらぶら宮殿の周囲を偵察(?)し、市内を歩いてみます。
チケット売り場の周りにたくさんの人がいますが、本日分は売り切れです!
 
当日券は、朝5時ごろからたくさんの人が並んでいるそうです。

脇の道を歩いていくとカフェ La Mimbre が … さっそくビールを、タパスも出ました。
このスペインオムレツはとても美味しかったです。
 


道の所々に一帯の地図の付いた標識が立っています。
大部分がスペイン語であまり役に立ちませんが、ナスル朝宮殿はチケットの時刻でないと入れませんよという注意は英語でも書いてあります。

 

 

 

アルバイシンのほうへ向かう途中の小高いところにサン・ニコラス展望台があり、アルハンブラ宮殿の全景が見えます。

ちょっと曇り気味で、雲が低いです。
この展望台は人気の場所で、たくさんの人が入れ替わって写真を撮っています。
後ろにサン・ニコラス教会の大きな建物があるんですが、そちらは誰もいません。

お昼をだいぶ過ぎて街中のレストランに入りました。ここでもビール …

ここで支払いを済ませ、いったんホテルへ戻ろうと市内を周回しているアルハンブラバスに乗った時に、財布が無いことに気がついたんです。ショルダーバッグをひっくり返しても無い!
逆方向のバスに乗りかけてホテル方向のバス停を探してウロウロしたんで、注意が逸れてスリの餌食になったんでしょうか。

 財布を無意識に尻ポケットへ入れていた?
 グラナダのスリはマラガに比べて上手?
って、言うてる場合とちゃうやろ !!!
今まで社用、私用で20回以上海外へ行っていますが、落とし物とか何かを盗られたのとかは初めてで、思い切り落ち込んでしまいました。

ホテルへ戻って、クレジット会社の緊急連絡先へカード停止の連絡をしましたが、被害はカード1枚、現金約€70、関空リムジンの復路チケットなどです。
旅行に必要でないキャッシュカードなどは抜いてあったので助かりました。

気を取り直して、ホテルからぶらぶら出かけて適当なバルをハシゴすることに。
左のが最初のタパスで、右のが2杯目のです。
  

グラナダ二日目は、アルハンブラ宮殿の北を流れているダロ河渓谷の北に広がるサクロモンテ(Sacromonte)の丘のほうへ行ってみました。
アルハンブラ宮殿とヘネラリフェの間の道を歩いてダロ河を渡ると、サクロモンテの手前にコルドバ宮殿というのがありました。グラナダにあるのにコルドバという名前がついている理由はわかりません。広い敷地ですが宮殿という感じはせず、パティオ(中庭)がきれいです。

コルドバ宮殿の前を北上して右折、サクロモンテ通り (Camino del Sacromonte)に入ると、坂道の崖に洞窟フラメンコのタブラオがいくつもあります。
その先に、ジプシー(スペイン語ではヒターノGitano)が住んでいた洞窟住居を保存した Museo Cuevas del Sacromonte (サクロモンテ洞窟博物館)があります。
(博物館のリンクページは英語ですが、半分くらいはスペイン語のままです)

このあたりの位置関係ですが、図の右上のピンクの部分がサクロモンテです。

洞窟博物館敷地内の各洞窟の説明板

用途によっていくつかの洞窟がありますが、内部が暗くてきれいに写真が撮れなかったので、詳しくは、高橋 樂さんの旅行ガイド を見てください。

洞窟博物館の展望台から見ると(高橋さんの記事ではトイレの前と書いてありますが)、遠くにアルハンブラ宮殿を望む絶景です。

ダロ河を見下ろす格好になりますが、ダロ河渓谷の斜面は北側と南側とが500mほどしか離れていないのに植生の違いが大きい、という詳しい説明板が3枚ありました。

博物館のある北側斜面(=南を向いている)は、日照時間が長く高温低湿で植生の多様性に乏しく、乾性植物と呼ばれる硬くて明るい色の種(リュウゼツランやサボテン)が多いそうです。確かに、地面が見えてとんがったリュウゼツランらしい群生が見えます。
はるかにアルハンブラ宮殿が見えている南側斜面は緑が濃く、木々が茂っています。

眺望を堪能して、ダロ河沿いにグラナダ大聖堂の方へ下ってきて、サンタ・アナ広場のレストランで遅い昼食(スペインでは普通!)
アルハンブラビールとシーフードパエリアを注文。(CERVEZAS=ビール)
  
美味しかった!

大聖堂近くのアルカイセリア通りに行ってみました。

この通りは、イスラム王国時代の絹織物の市場だったそうで、今は土産物屋さんなどいろんな小さいお店が密集しています。楽しくウロウロしましたが写真を撮っていないので、詳しくはこちらを、手抜きでスミマセン。

通りを抜けると、大聖堂の角の塔が見えました。

大聖堂の近く、カルメン広場(Plaza del Carmen)に面してグラナダ市庁舎があります。

ところが、知り合いが以前にスペイン政府観光局から送ってもらったパンフレットのグラナダ編に載っているのと違いました。

左の写真がパンフレットのもので、時計の上に紋章(?)がついたアーチ状の構造物が付いているんですが、今は時計が変わってアーチが無くなり、馬に乗った人物像になっています。
門灯(?)も無くなっています。

 

入口にいた警備員みたいな人にパンフレットを見せて聞くと、変わったんやろけど理由は知らんと笑ってました。パンフレットに 5th Edition(2011) とあったので、ここ何年かのうちに改装されたみたいです。
変なところに食いついてしまったみたいで、役に立たない情報でした。

その他、あちこちのバルをハシゴしながら、ホテルへ。
 

グラナダ二日目もビールばっかり飲んでいました。
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