作ったもの」カテゴリーアーカイブ

タイヤ空気圧、エアコンプレッサ

公開:2021/11/24
追記・修正:2021/12/03

最近の車はセンサと制御ソフトのおかげで運転者が車のメンテに気を使うことが少なくなってきていますが、タイヤ空気圧は月に一度ぐらい、および遠出する前にチェック・調整します。

自分が車に乗るようになってからエアゲージ(圧力計)は何個も使ってみました。
例えば;

目盛棒が飛び出してくるタイプは案外正確です。
ただ、どのタイプでもタイヤバルブに押し付ける部分は同じで、押し付ける角度が微妙にズレるのかピタッと決まらずにエア漏れしてやり直すことが多いです。(単に不器用!?)

エアが減っていれば、当たり前ですが、コンプレッサで補充します。
写真のコンプレッサは20年近く前に買った エマーソン EM-106 というものです。
それなりの音がしますが、低音なので周りに気を使わずにすみます。

現行のモデル(EM-240)を見る機会がありましたが、見かけは同じですがモータが一回り小さくなりピストンは黒い樹脂製でした。

スイッチを入れた時に一瞬起動が遅れるようなことがあったので、吸気側のカバーを開けてみると写真のような構造でした。


モータ軸にクランクが付いてピストンが連結されていますが、ピストンとコネクティングロッドが一体物で、手で回してみるとモータ回転に従ってピストンが上下すると同時に左右へ傾きます。

こんな構造で回転して圧縮できるのが不思議ですが、調べてみると揺動ピストン型という図のような構造でした。
(この図はアルバック機工株式会社のサイトから借用しました)

真空ポンプなどに使われているそうで、自分には新たな発見(!)でした。

シリンダの内側に エーゼットの CKM-001 を塗りつけると起動の遅れはなくなり、なんとなく音もより静かになったような気がします。
このオイルは樹脂系には向かないという情報もあり、ちょっと心配です。

コンプレッサのホース先端がタイヤバルブのネジに合った雌ネジで、ねじ込んでいくとまずバルブ側のピンが押されて(エアが漏れ始める)、更にねじ込むとシールが接触して接続完了となります。
ホースを持ちながら先端のネジ部分を回しますが、手早くしないとエア漏れが続きます。
実際には大した漏れではないですが、気分的によくないです。

これがずっと気に入らなかったんですが、しばらく前にAmazonで 延長ホース というのを見つけて長さ10cmのを購入しました。

コンプレッサのホース先端へねじ込んでおいて、ロックレバーを押しながらタイヤバルブにギュッと押しつけてロックレバーを放すと固定されます。

ロック部の拡大;

タイヤバルブへねじ込む手間がなくなって長年(!?)の悩みが解決しました。
エアが入りすぎたらエア抜きボタンを押せば調整できます。
価格のわりによくできた品物と思います。

そこで ….
この延長ホースを使えばエアゲージも一発で繋げるのではと考えて、同じものをAmazonで購入して手持ちの圧力計に繋いでみました。
圧力計はPT1/8(管用テーパねじ)ですが、ジャンク箱にあったパイプが都合よく片側がPT1/8だったので、反対側をアルミ丸棒で埋めて延長ホースに合うタップを立てています。
ねじはTV8という規格らしいですが、UNEF 5/16-32と同じです。
下穴を加工するとき手元にあったOリング(線径2mm)に合うようにボールエンドミルで口元をさらっておいて、締め込んでピッタリ合うようにしています。

タップはMonotaROにありましたが欠品中で、eBayで注文しました。
1ヶ月ほどかかりましたが、安くてもまともなものが来ました。

これでエア圧チェックの時も一発でつながるようになりました。

余談ですが;
Pa (パスカル、1Pa = 1N/㎡)はヨーロッパでは国際単位系(SI)の圧力単位として
1971年から使われ始めて、日本では1992年末から天気予報でミリバールが hPa(ヘクトパスカル)に代わった頃から徐々に切り替わっていったようです。
1973年ごろにヨーロッパの機械メーカのカタログにあったkPaの表示が当時は理解できませんでした。

工学的には1kgf/㎠ = 98.0665kPa(キロパスカル)で換算しますが、タイヤ空気圧などは厳密にしても意味が無いので1kgf/㎠ = 100kPaでOKです。

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AppleWatch ナイトスタンド

公開: 2021/06/01

直前、と言っても5月半ばですが、AppleWatchをナイトスタンドモードにして置けるMagSafeデュアル充電パッドについて書きましたが、Watch付属の充電器を単独で使えるような部品を作ってみました。

ちょうど手元にアクリルパイプ(外径55mm厚さ4mm)があったので、適当な長さに切って充電ヘッドを嵌め込めるように加工しました。

完成形はこんなもんですが、

部品単体では;

充電ヘッドのケーブルを通して;

ヘッドを嵌め込むと;

完成です!

充電ヘッドの高さをAppleWatchの中心と合わせたはずが、なぜか1mmほど低く、底面に円板をはめて嵩上げしました。

横にしても使えそうです;

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風呂に時計 – バスクロック

公開: 2021/2/22

武漢ウィルスのおかげで旅行に行けなくなり、家人がまたもや在宅勤務になってWork Shop と呼んでいる趣味の部屋を占拠されたためハナシのネタがなくなり、3ヶ月近くも沈黙してしまいました。

ただ、世の中がガッカリ状態でも自宅の設備の老朽化(!?)はしっかり進行して、先月中ごろに給湯器が故障しました。
3回に1回くらいの割合で、風呂のお湯張りが完了してチャイムが鳴っても給湯が止まりません。気を付けていれば使えないわけでは無く修理も可能でしたが、もう10年になるので買い換えました。
昨年12月に10年保証が切れていて、うまく壊れるな〜と感心しました。

作業の方が予定時刻通りに来られて、3時間弱で完了。

ところが、古い方にはリモコン画面に時計表示があったのに、新しいのはボタンを押したら10秒くらい時計に切り替わるだけです。
台所側のリモコンで時計を見ることはありませんが、入浴中は何分浸かっているかなど見たいので常時表示して欲しいと思うのはジイちゃんだけ?

ということで、今更リモコンを交換するわけにもいかず、デジタルバスクロックというのをAmazonで購入:(写真はAmazonから)
 
耐水性両面テープでリモコンの上に取り付けました。
これでOKと思っていたんですが、よく考えると時刻合わせのボタンや電池交換が裏面なので、必要な時には両面テープを剥がさないといけません。

しょっちゅう剥がすことは無いにしてもスマートでないので、図のようなホルダをプラスチック材で作ることにしました。
裏面のボタンが出っ張っているので、1mm逃してあります。

これにバスクロックを落とし込むように嵌めれば、ホルダの厚み分が出っ張りますが、取り外しは簡単になります。
しかし、図の形状では薄いところは2mmしかないので、切削では素材の固定ができません。
3Dプリンタなら楽勝(ちょっと口惜しい?)でしょうが、両面テープで保持するには面積が小さすぎて、加工中に飛んでしまいそうです。

唯一(多分 …)の解決策は、素材と部品を切り離さないことです。
素材を両面テープで機械テーブルにベッタリ貼り付けて、素材厚さ9.8mmに対して切り込み(Plunge Z)を9.6mmにすると、0.2mmの薄皮で素材と部品が繋がった状態で出来上がります。
加工完了時に写真を撮るのを忘れたので、薄皮が残っている素材の残骸;

VCarveProのツールパス;

薄皮部分で切り離してバリ取りをしなければなりませんが、設計通りの寸法で出来上がり、浴室の壁に貼り付けると;

バスクロックを取り付けると;

必要無い人には何の意味もありませんが、時刻を見ながらゆっくり湯船に …

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アクリル板の加工 – 治具(ジグ)改良

公開: 2020/07/29
編集:2020/08/08
Click English to see “Chamfer Acrylic plate (Mask hanger) – JIG” 

アクリル板加工の記事で、裏面の面取りをするための治具について書いていますが、改良版(?)を作りました。
前のはプラスチック系の材料が手元に無くMDF材で作りましたが、机の下に転がっていた材質不明のプラスチックを見つけて大きさギリギリでしたが使えました。
いつ手に入れたのか覚えがないんですが、ABSみたいな削れ方でした。
ABSは強度はあるんですが、送り速度を思い切り上げとかないと切削熱で融着することがあります。

前回の考え過ぎを反省してシンプルにポケットを加工したのが ⬇️
左下赤枠はコーナー検出用のアルミ板で、右下のホースが集塵機へ繋がっています。
この材料(幅70mm)なら立ててもY軸ガントリーに当たらないので、ホース接続孔の加工が楽でした。

アルミ板は、Mach3スクリーンセット(Screen2010)の “X-Y Probing Wizard” を使ってコーナーのゼロ点検出ができるように付けてあります。
(詳しくは「
CNCフライス(5) Mach3+Screen2010」)

実際のコーナー検出動作 ⬇️ (音が出ます)
スピンドルにつけているのは折れた(折った!)エンドミルのシャンクです。


治具は、
 (1) 固定用ボルト穴と裏面のΦ5ピン穴を加工、
 (2) センサー用に適当なアルミ板を取付(接着)、
 (3) テーブルに固定して、アルミ板コーナーとポケットを加工
という手順で作っているので、テーブルのどこでもXYのゼロ点を合わせれば作業できます。

XYのゼロ点が出たら、工具先端の位置を合わせます(Zゼロ) ⬇️ (音が出ます)

工具の当たる検出ベースはいつもは指で押さえていますが、汚い指(!)が映らないようフリーにしていたので、押さえた時と0.01程度のズレがありました。

部品を載せてみると、パチっと気持ちよく嵌り吸引力も強いです。
これで加工準備完了です。

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アクリル板の加工

公開: 2020/06/18
修正、動画追加: 2020/6/19

いつも、と言ってもそんなに頻繁に買っているわけではないですが、アクリル板を購入しているサイトが「在庫なし」 が続いていました。
武漢ウィルス対策のための仕切り板などの注文が多くて、小口(?)の販売ができなかったようです。

5月下旬に注文できるようになっていたので、布マスク用ハンガーを作るのに透明カラーのものを注文しました。
300x450mm-3mm厚を自作機に載るように半分に切ってもらい(カットの刃物が4mmなので、300x223mmが2枚)、
多数個取りできるよう配置を考えます。
VCarveProにはその機能(Nest parts)があるんですが、基準にする方向(X,Y)などの設定を変えてみたりちょっと手間がかかります。
部品の形によっては簡単にできますが、この場合は形がいびつなので設定をいじって試行錯誤の結果、下のような配置が出てきました。

薄板を加工するときは両面テープ(幅5mm、アルミなどは10mm)で固定しますが、部品の形に応じてテープを貼る位置も考えておかなければなりません。
VCarveProが考えてくれた(!)配置では、穴のあるアーム部分がバラバラになっていて両面テープが貼りにくいので、結局、X軸に並行にテープを何本か貼ればいいように手作業で下のように配置しました。
(アームの先端近くにテープがないと加工の後半でズレるのでは?と考えています、心配症?)

いつも使っている両面テープは日東電工NW-5000NS(厚さ0.16mm)ですが、加工中にエンドミルで引きちぎれたようになってもノリ残りが少なく、使い勝手がいいです。
Amazonでは幅15mm以上のものしかなくて、幅5mmや10mmはMonotaROで買っています。

加工手順(1) 外形、穴加工
3mmエンドミルをセットして、穴 ⇨ 外周 ⇨ 外周仕上げ※1 を行います。
加工の切込み(Z)は板厚と同じにしていますが、アクリル板の厚さ公差は±0.1mmくらいあるので、加工前に何ヶ所か実測して最小値を確認しておく必要があります。
確認しないと、最悪の場合、機械のテーブルに部品の形がクッキリと ….

切込み(Z)を最小値にしておくと両面テープを削り込むのが少なくなるので、剥がす時に少し楽になります。
板厚のバラツキで薄いバリが残ることがありますが、裏面の面取りで削り落とされます。

加工手順(2) 面取り
エンドミルを先端角90度のリーディングドリルに交換して面取り※2 すれば、部品を取り外します。

※1 外周仕上げ:
エンドミル径公差がマイナス0〜0.03なので外形寸法がプラスに仕上がるため、工具オフセットをマイナス0.02くらいにして仕上げのパスを入れます
※2 面取り:
リーディングドリルで外周と穴の面取りをします
4mmのリーディングドリルを、
工具径1.1mmの設定で切込1mmで加工するとほぼC0.5になります

加工手順(3) 裏側の面取り
まとめてできないので1個づつ加工するように治具を作りました。
面取りだけなら大きな切削力がかからないので、部品外形を掘り込んだ板に嵌め込むだけで固定できそうに思ったんですが、浮き上がりを防ぐために切削くず集塵用吸引装置に接続して吸着できるようにしてみました。

MDF12mmの板に下図の点線のように排気のための深さ8mmのポケットを加工してから5.5mmの板を接着し、その上に部品の形を掘り込んで空気が抜ける(部品を吸引する)ように5ヶ所に穴を開けたものです。


MDFというのは木材の繊維を樹脂で固めたもので、早い話が分厚い紙で安いです!。
加工はし易いですが、精度はあまり期待できません。
出来るならもっと密度の高いケミカルウッドなどで作りたいんですが、手持ちの材料で適当なものがないのでMDFにしました

考え過ぎて失敗!の見本みたいですが、穴だけではまったく吸引力が弱かったので下のように切り開きました。

部品を置いて集塵用のスイッチを入れれば、ペタッと引きつけます。
ポケットの形を工夫すれば、18〜20mmの板1枚で行けたみたいです。

実際の工場では、バキュームテーブルとか呼ばれる真空ポンプで強力に吸着する装置がありますが、ここでは気休め(?)程度に吸着してくれればいいかなっというレベルです。

実際に加工しているところ;(音が出ます)

早送りはF1500、外周加工速度はF1000です。

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ドラッグナイフ

編集: 2018/07/06

ドラッグといっても、怪しいドラッグではありません。

怪しい方はDrugで、ここで言うのはDragです。
Dragは引きずるとかいう意味ですが、紙やフィルムを切抜くブレードが自由に回転し、かつ刃先が回転中心から少しズラしてある刃物をドラッグナイフといいます。

イメージとしては左のようなものですが、刃先を回転中心からズラしてある(=オフセット)のがミソで、方向変換しても刃先が回ってうまく切れるようになっています。

調べてみると色々な形式があって、カッターナイフの刃を折って付けたような大きいのもあります。
原理が分かって、作ってみたいなと以前から思っていたんですが、刃は?、回転するように
取付けるには?など、具体的なアイデアが浮かばず忘れていました。

暇な時に(たいがいヒマですが) eBayを見ているとカッティングプロッタという製品が何種類かあって、交換部品として「ホルダー+ブレード3種類各5本セット」というのを見つけました。ローランドDGの製品用となっていましたが、¥600弱の驚異的価格に思わずポチッと注文!

フィルムの厚さやカットする文字や図形の細かさによってブレードを選ぶようです。

とりあえずスピンドルに取付けられるように、ホルダーの頭をø6に削って;

アップルマークを切り抜いてみました。

切り抜くシートは「エーワン手作りステッカー 29421」を使いました。
本来は白地のフィルムに印刷して保護フィルムを貼るタイプのものですが、白地のままでアップルマークを切り抜いて不要部分を取り除き、保護フィルムを貼ってハサミでカットしたものです。
写真は、キャビネットに貼ったものですが、保護フィルムがかすかに写っています。
りんごのカットがキレイでないのはシートの固定がうまくいってないのか、刃がしっかり保持されていないのか … 課題です!
カッティングプロッタの場合は、プリンタのようにシートが動くんじゃないかなとおもっいますが、現物を見たことがないので分かりません。
ただ、シートはプリンタのように出てくるだけでなく、戻る方向へも動く???

 

何だかしっくりこないな〜とebayを見ていると、他にもホルダーがありました。
替刃なしで、最初のと同じくRoland用となってましたが、形状・寸法が違います。
コンパクトで、スピンドルに取付け易そうなので注文しました。

前のもそうですが、けっこう凝った加工をしてあるのにナンで?という低価格です。

部品を外すと;
–  先端のキャップ(黒いプラスチック)
–  ホルダー本体
–  ナット(高さ調整、多分)
–  後ろのキャップ(高さ調整ナットのロック、多分)

ホルダー本体をバラしてみると、下のような部品が入っています;
右側の丸棒は、ブレードを交換する時に押出すためのもので、無くても構いません。
真ん中の黄色いのは、真鍮パイプにブレード後端のテーパ部を受けるベアリングと抜け落ち防止のネオジム磁石(強力!)が入っています。

ホルダーにブレードを挿入したところ;
先端には内径2mmのベアリングが入っていて、ブレードの外径が1.95mmなのでわずかにガタがあります。

最初のはホルダーを加工してしまったので、これは手を加えないでスピンドルに取付けられるようにアダプタを作ります。(固定の押ネジのための面加工だけしておきます)
アダプタにホルダとø6ピンを入れて押ネジで固定し、スピンドルに取付けます。
 


押ネジを加工してスピンドルに取付けたところ:
カットするときは、スピンドルモータのコネクタを外しておきます。

数少ないフォロアー(!?)から、このところ投稿が無いという声をもらったので、とりあえずアップしました。
これからいろいろカットしてみましょう。

追記:
切り抜くシートをどう固定するか考えていたんですが、思いついて1mm厚のシリコンラバーを敷いてみました。
表面の摩擦が大きく、押さえられた時には更に滑りにくくなり大丈夫そうなので、直径90mmの丸いシールを切り抜いてみました。深くカットしても刃先がシリコンラバーに食い込むだけなので、ベースの表面精度もカバーしてくれます。
カッティングプロッタの製品もゴムローラとかで受けているのかもしれません。

下の左側はカット完了の状態。上下左右の黒いのは位置合わせの手書きマーク。
右側は、切り抜いた丸とその残り、シリコンラバー、ベースのアクリル板(黒)です。
念のため四隅をセロテープで止めましたが、ブレードが動いて行く時にシートがシワになったりすることもなく、きれいにカットできました。
送り速度は400mm/minですが、もっと早くてもいけそうです。
  

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iPhoneSE ケース

編集: 2018/05/08

以前に自作自慢の掲示板 に投稿させてもらいましたが、アクリル樹脂でiPhoneSEのケースを作りました。


上の写真は最初に作ったタイプで、アクリル板を彫り込んだものを接着してiPhoneを上から差し込むようにしています。形状を工夫して何度も作り変えたんですが、スッポリ抜け落ちそうで心配でした。
 
いくつか作っても、側面の音量調節と消音のボタンのために写真のように削ってあるのは同じです。

抜け落ちを心配しつつ使っていて、よく行くバーのマスターにその話をしたら、ボタン類を外から操作できるようにならないの?という助言(ほとんど強制?)がありました。

それは無理やろ〜と思いつつも、何日か考えて部分的に試作したりして行き着いたのが、今の全閉型(!?)バージョンです。

8mm厚アクリル板で、まず外側をCADデータから切削データに落として加工します。

これをひっくり返して内側を彫り込んで外形をカットすると、切削は完了。

たくさんの丸穴は放熱用(効果は不明!)、アップルマークはiPhone背面のマークが見えるように、他の穴はカメラやホームボタンです。
組んだ時にストラップを通せるように、左右の肩の部分に溝を入れてあります。
組み合わせるためのネジ(9ヶ所)は裏側から止めるようにして、表側はø1.1ドリルで下穴を明けてタップ加工します。
スイッチ用の上や左右の穴は、表裏をネジ止めしてバイスで保持して加工します。

スイッチ類は別に加工したものを嵌め込みます。上の方に見えるのはSIMトレイを引き出す穴のカバーです。最初はなかったんですが、SIMを入れ替えるのにケースをバラさないといけないことに気がついて、追加工したものです。
スイッチ類は小さくて削る時に固定するのが難しいんですが、CAMソフトでタブ加工というのができるので、思ったより簡単に作れました。

部品と母材をつないでいるのがタブで、タブを切って不要なところを削ります。

消音のスイッチは、iPhone側の出っ張りと合うように裏に溝を入れます。

表側にiPhone本体とスイッチ類を嵌め込んで裏側をかぶせ、M1.4のネジで固定すれば完成です。

このネジは、お世話になっているねじの松喜でもさすがにバラ売りは無く、100本入りが一箱972円でした。あと9個は作れます!

CADで図面を作る時にAppleの資料(Accessory-Design-Guidelines.pdf)を参考にしましたが、外形寸法は公差が案外大きく、例えば、iPhone SEでは、高さは123.83±0.2、
幅は51.70±0.2、厚さは7.60+0.25, -0.20 です。

最大公差に合わせて作るとガサガサになる可能性があり、内側の彫り込み加工は最終的に実物の寸法を測って決めました。
市販のケースは、ほとんどが伸縮性のある素材を使っているので公差範囲をカバーできるのでしょうが、アクリル樹脂では無理です。

もしも誰かに作って欲しいと言われたら、柔らかい素材を内側に貼っておくなどの対策を考えないといけませんね。
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