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風呂に時計 – バスクロック

公開: 2021/2/22

武漢ウィルスのおかげで旅行に行けなくなり、家人がまたもや在宅勤務になってWork Shop と呼んでいる趣味の部屋を占拠されたためハナシのネタがなくなり、3ヶ月近くも沈黙してしまいました。

ただ、世の中がガッカリ状態でも自宅の設備の老朽化(!?)はしっかり進行して、先月中ごろに給湯器が故障しました。
3回に1回くらいの割合で、風呂のお湯張りが完了してチャイムが鳴っても給湯が止まりません。気を付けていれば使えないわけでは無く修理も可能でしたが、もう10年になるので買い換えました。
昨年12月に10年保証が切れていて、うまく壊れるな〜と感心しました。

作業の方が予定時刻通りに来られて、3時間弱で完了。

ところが、古い方にはリモコン画面に時計表示があったのに、新しいのはボタンを押したら10秒くらい時計に切り替わるだけです。
台所側のリモコンで時計を見ることはありませんが、入浴中は何分浸かっているかなど見たいので常時表示して欲しいと思うのはジイちゃんだけ?

ということで、今更リモコンを交換するわけにもいかず、デジタルバスクロックというのをAmazonで購入:(写真はAmazonから)
 
耐水性両面テープでリモコンの上に取り付けました。
これでOKと思っていたんですが、よく考えると時刻合わせのボタンや電池交換が裏面なので、必要な時には両面テープを剥がさないといけません。

しょっちゅう剥がすことは無いにしてもスマートでないので、図のようなホルダをプラスチック材で作ることにしました。
裏面のボタンが出っ張っているので、1mm逃してあります。

これにバスクロックを落とし込むように嵌めれば、ホルダの厚み分が出っ張りますが、取り外しは簡単になります。
しかし、図の形状では薄いところは2mmしかないので、切削では素材の固定ができません。
3Dプリンタなら楽勝(ちょっと口惜しい?)でしょうが、両面テープで保持するには面積が小さすぎて、加工中に飛んでしまいそうです。

唯一(多分 …)の解決策は、素材と部品を切り離さないことです。
素材を両面テープで機械テーブルにベッタリ貼り付けて、素材厚さ9.8mmに対して切り込み(Plunge Z)を9.6mmにすると、0.2mmの薄皮で素材と部品が繋がった状態で出来上がります。
加工完了時に写真を撮るのを忘れたので、薄皮が残っている素材の残骸;

VCarveProのツールパス;

薄皮部分で切り離してバリ取りをしなければなりませんが、設計通りの寸法で出来上がり、浴室の壁に貼り付けると;

バスクロックを取り付けると;

必要無い人には何の意味もありませんが、時刻を見ながらゆっくり湯船に …

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DynaBook (B55/B) – SSDに換装

公開:2020/11/06
追記:2020/11/26

CNC用コンピュータをWindows10に変更して最近のエントリでグチを並べていますが、設定をいじってもメモリを増設してもあまりにも立ち上がりが遅いです。
あとはSSDか〜と考えていましたが、
120GBが約¥2,000(Amazon)だったので思わずポチッと。外装はド派手な色ですが、内蔵してしまえば見えません。

元のHDDは500GBですが使っているのはシステム含めて72GBくらい、CNC関係のデータが増えても120GBあれば十分です。

入れ替え準備でバックアップアプリを検索すると SyncToy というMicroSoftの製品がありました。差分バックアップなど使いやすそうですが、無料の自社製品なのに何でWindowsに組み込まない? 何でToy? 
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追記:2020/11/26
差分バックアップは変更部分を書き換えるだけなのにファイルチェックに時間がかかって、新規バックアップと同じやんと思うほど遅いです。
アルゴリズムがダメダメなのか、無料でも使う気にはならないレベルです。
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内蔵ディスク交換はOSのリカバリなど手間がかかりそうなので、さらに探してみると「再インストールせずにHDDからSSDに換装」というアプリ販売者の記事がありました。
新しいディスクに元のディスクを丸ごとコピーして、クローンディスクを作るというものです。(Macでは CCC[CarbonCopyCloner] や SuperDuper! が定番)
この記事で説明しているのは EaseUS Todo Backup というアプリで、無料版は試用期間30日というのが画面に表示されました。
定期的なバックアップにも使えるので、製品版を購入してもいいかなと思います。

SSDが配送されてUSB外付けのケースに入れ、アプリを起動して1時間くらいで完了。USB3.0+SSDのおかげかエェッと思うほど早くできました。
ディスクの構成を見ると元(C:)と全く同じ名前でA:ドライブができていました。
もう一つ小さいドライブが表れましたが無視してシャットダウン。
メモリ追加と同じように本体裏蓋を開けて、HDDをクローンのSSDに交換して問題なく起動しました。

立ち上がりが劇的に速くなってデスクトップが表れたらすぐに操作可能になり、タスクバー にアイコンが並ぶのを待つことも無くなりました。
ただ、スタートアップのアプリが全てロードされるまでは何というかちょっと躓くような違和感がありますが、近年まれなコスパでメデタシ!

SSDが安くなってきたのでお勧めです。
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AutoHotKeyの問題 – 実はMach3のプロパティ

公開: 2020/10/26
語句修正、追記:2020/10/27

前の記事でWindows10のラップトップでMach3が動くと書いていますが、AutoHotKey (以下 AHK)で割り付けた外付テンキーパッドがなぜか効きません。

キーパッドはMach3(2010Screenset) の各タブの切り替えと各軸送り操作をPCから離れてできるようにしています。
画面の各タブのショートカットは左からF1(Run)〜F7(Settings)になっています。
これは2010Screensetで、Mach3標準(1024.set)ではありません。

 

XYZ各軸を動かすのは元々の矢印キーとPgUp PgDnなので問題なく、タブのうちF1(Run)、F3(Jog)、F4(Tool Change)をキーパッドの INS, 5, DEL に割り付たのが反応しなくなっています。

AHKのスクリプトは、例えば;
 NumpadIns::send, {F1}
と書けば、キーパッド (Numpad)のINSキーで F1 を押したことになります。
例えばジョグ操作を終えてGコードをスタートしたい時に、キーパッド左下のRunと書いたキー(本来は INS)を押せばF1が送られてRunタブへ移ります。

ちなみに、キーパッドに使っているスクリプトは(2010Screenset用);
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NumpadIns::
send, {F1}
Return

Numpaddel::
send, {F4}
Return

NumpadClear::
send, {F3}
Return

NumpadHome::
send, ^Z
Return

NumpadMult::
send, ^P
Return

NumpadEnter::
send, @
Return
————————–

ネットで調べてみても似たようなトラブルは見当たらず、Mach3を再インストールしたりXPからコピーしてきたのを立ち上げたり、いろいろやってみましたが効果無し!
簡単なスクリプトを作って調べてみると、
● キーボードテストで見ると、キーに割付けた信号(F1など)は出ている
● [
a を押すと3]というスクリプトを実行すると、エディタやブラウザではaを押すと3になるが、Mach3ではaのまま

ということで、Mach3ではAHKを受け付けていないように見えます。

どうしたもんかと、ラップトップを購入してからの経過を考えると …..

まずMach3をインストールして動くかどうかを確認したとき、キーパッドの操作も問題なかったことは間違いありません。
UC100の到着を待っている間にWindows自体のいろんな設定をいじくっていて、その間にバージョンアップがありました。元のバージョンは確か1809でしたが、アップデートで1903になりました。

これが原因?と思いながら「バージョンを戻す」というのを実行すると、1809ではなく 1607 になりました。
えらい古いのに戻るんやな〜と思いながらAHKをダウンロードしてMach3を立ち上げたら、キーパッドが設定通りにちゃんと操作できました。

ところが、しばらくするとまたできなくなり、バージョンを購入時の1809に戻したりととても時間がかかりましたが、ダメでした。
なんて日だ!とめげそうになっていじってるうちに、やっと分かりました。

Mach3のプロパティから互換モード実行でXPにするとAHKが効かない!

互換モードをXPにするとMach3のタイトルバーが元のブルーになるので、ダウンロードなどして「動いたゼイ!」と喜んだ後に互換モードにしていました。
互換モードにしたというのが記憶から抜けて、いつのまにか動かなくなってガッカリということを繰り返していたわけです。
見かけに食い付いたためにバージョンを戻すなどとんでもない遠回りをしていたんですね

Vistaから8までは問題ないです(互換モード無しと同じ)。

原因は簡単なことでその理由はわからずともバンザーイというところですが、Mach3のタイトルバーが気に入らないのと、いろいろ設定をしたのが元に戻ってしまったのでウンザリです。
使いやすいように、これからボチボチ変えていきます。

2020/10/27 追記:
「Windowsを軽くする 簡単にできる10の方法」という記事(ブログ?)を読みながらいじっているうちに、Mach3だけじゃないと思いますが、ウィンドウのタイトルバーの色を変えられました。アクセントカラーとかよく分からないままですが …
Windowsを使ったのは勤務中(定型的な作業のみ)と退職後のCNCだけで、プライベートはずっとMacという私のような中途半端な人間には役に立ちます。

記事の説明に従って設定を変えると電源ボタンを押してから2〜3分で操作ができるようになりました。
ただ、再起動は5分余りかかります。
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CNCフライス(13) Windows10ラップトップ + Mach3

公開: 2020/10/24
Mach3関連他追記:2020/10/31

直前の記事でも書いたようにWindows10でもMach3が動くのと、ラップトップでもUC100を使って機械を動かせるということで、脱XP(+LPT)のためにダメ元で中古の東芝ダイナブックを手に入れました。
注文して3日くらいで届きましたが、Windowsって変わってないな〜と思いながら設定などしていると、エラーメッセージが出ました;

OKを押しても何分かすると現れて、だんだん頻度が高くなってきました。

今まで新品・中古に限らずコンピュータ関係で外れを引いたことはなかったので、とうとう運も使い果たしたかなと買ったサイトへ状況を連絡したんですが、あいにく土曜日で月曜まで返事は来ません。
裏側の冷却ファン排気のスリットをよく見たらどうもファンが回っていないようで、細い電線で突っついてみたら回りだしました。
その後エラーは出なくなって、運はもうちょっと残ってるみたいです。

実装メモリ4GBでは心許ないので、空いてるスロットに増設しました。
(DDR3L 1600 PC3L-12800 4GB)
『お客様ではメモリの交換・増設はできません』となっていますが、裏蓋の20数本のネジに挑戦すれば簡単にできます。バッテリ側ヒンジ部の左右各2本、計4本のネジが少し長く、他のネジはすべて同じです。
写真を撮り忘れたんですが、詳しくはこのサイトで ==> 
裏蓋を開けたときにエアダスタで吹いてみるとファンのあたりからホコリが飛んでいきました。

一件落着で、XPのデスクトップから抜き出したMach3フォルダの全ファイルをコピー、念のためArtSoftからMach3をダウンロードしてインストールしました。
Windows10用パッチファイルというのも実行しましたが、特に変化は無くMach3は正常に立ち上がりました。
*文末に追記
アプリのプロパティからWindowsXP互換モードにするとタイトルバーの色がXPとほぼ同じになりました。
ところが、ペンダント代わりのUSBテンキーパッドのカスタマイズ(AutoHotKey)がファイルをコピーした時点では正常だったんですが、いつの間にか(?)各軸を動かせるだけで作業タブの切り替えなどができなくなりました。
AutoHotKeyのスクリプトを実行していないようで、ネットで調べていろいろ試してみましたが解決できず、ヘコんでいます。

案外簡単な理由かも知れませんが …. 
次の記事の通り、やはり簡単な理由でした

ディスプレイは横長1366×768で、縦サイズが合っているのにMach3ウィンドウ(1024×768)の下端がわずかに切れます。
Mach3標準スクリーンセット(1024.set)は余裕で表示されるので、2010Screensetの問題みたいです。
ディスプレイ設定を1024×768にしたら解決するんですが、デスクトップが見えるようにしたいので悩ましいところです。

Mach3に限らずフォントがかすれたように汚くて、最新でないにしても4年前のPCでこれはないやろとがっかりでしたが、ClearTypeテキストに設定するとマシになりました。なぜ初めから設定しておかないのかと不思議です。
また、起動時にログイン画面の前にロック画面が表示され時間がかかるので、表示無しにしたら早くなりました。
さらに、自動ログインにするともっと早くなるかもと設定したら、思いっきり遅くなったのでやめました。

何か設定を変えようとするとディスク内を探し回ってとてもイライラしますね。
直感と合わないことが多くて動作も重く、解説本がいっぱい出ているのが分かる気がします。
頭の体操には良いかもしれませんが、スマートじゃないです。

まぁそこらは置いといて、
UC100はメーカーサイトからプラグインなどをインストールして、実際の加工が問題なくできることを確認し、自分のシステムはこうなりました;
CAD(MacBook) => ファイル共有 iCloud Drive => DynaBook
=> VCarvePro Gコード作成、Mach3読込
=> UC100 USB/DSUB25 => HobbyCNC Pro => 自作機

その後、iCloud Drive をWindows側からアクセスできるようにして、MacBookからDXFファイルを書き込むようにしました。
ファイル共有は相手のコンピュータが起動していないとダメですが、iCloud Drive なら気にせずにファイルやデータを放り込んでおけます。

2020/10/31 追記:
Mach3フォーラムのWindows10でエラーが出るという投稿に、Newfangled Solutions Helpdesk から「インストーラには対応するパッチを当てた」というコメントがあったのを見落としていました。
There is a new Mach3 installer on our website (machsupport.com) that includes a patched version of .062 that corrects this issue. Install it over your previous version of Mach3, restart, and you should be back to normal. As always, I recommend backing up your profile, license, and any custom macros or screens–just in case.
« Last Edit: May 17, 2018, 02:19:54 AM by bryannab »

ダウンロードしたMach3.exeの日付(2018/5/14)と符合しますので、Windows10に換える場合はバージョンにかかわらず、改めてダウンロードするのが安全かと思います。
バージョン1909で問題なく動いています。

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CNCフライス(12) UC100

公開: 2020/10/23

現在使っているMach3は、PCのプリンタポート(DSUB-25)を使ってモータドライバなどを制御する最も標準の構成です。
今のところ何も問題は無いんですが、最近のPCはプリンタポートが無いのでPCがダウンしたらどうしようかなとずっと思っていました。

いつも見ている自作自慢の掲示板 のサイトで同じように危惧されている方の投稿があり、選択肢としてUC100の話でスレッドが長くなって盛り上がっていたので調べてみました。

UC100というのはPCからUSBケーブルでCNC装置へ制御信号を送るモーションコントローラで、ハンガリーの CNCdrive という会社が販売しているものです。
従来のDSUB-25コネクタ付きの機器へ接続できて、USBケーブル(1.8m)は付属しています。(写真はCNCdriveのサイトから)

Amazon、eBay などでUC100で検索するといくつも見つかりますが、そういうのは UC100 CNC Motion Controllerという文字が入っておらずプラグインなどの説明もありません。
メーカーに問い合わせるとすべて偽物で、製品説明のページでは次のような警告が出ています。
Be aware that
counterfreit fake UC100 motion controllers are sold on e-bay, alibaba, banggood and amazon!
The fake devices will not work with our software!

いろいろ調べて見て、メーカーのwebショップで注文、送料(€18)合わせて€98。
月曜出荷〜翌週木曜到着、国際線の便数が激減している影響か日数がかかりました。

日本でどのくらい売れてますか?と聞いたら、モーションコントローラーやライセンスを買ってくれている会社があるとURLを書いてくれました。
見たら、成晃機械設計(SMD)で、”that Japanese company is a good customer of ours.” ということです。
ここではUC100はUCCNCとのセット販売で、単体では売っていないみたいです。
(確認はしていません)

UCCNCはMach3と同じような制御ソフトで、ライセンス(€55)は25,000以上売れているそうです。Mach3が$175、Mach4-Hobbyが$200ですからえらく安いです。
(写真はCNCdriveのサイトから)

評判もいいみたいで興味はありますが、Mach3+2010Screenset が気に入っているので、当面は変えるつもりは無いです。

現在の構成は;
CAD(CADintosh、MacOS) => DXFファイル => USBメモリ => VCarvePro =>
Mach3 => DSUB-25 ケーブル => HobbyCNC Pro => 自作CNCフライス
セキュリティーのためにWindowsXPをネットに繋いでいないので、
DXFファイルをUSBメモリで渡しています。

PC側のDSUB-25プリンタポートからの出力をUSB接続のUC100に置き換えるわけで、設定手順はマニュアルに詳しく書いてあります。

メーカーサイトからインストーラをダウンロードして、USBコネクタからHobbyCNC-Pro(信号入出力、ステッピングモータ駆動)のDSUB-25コネクタへ繋いで 正常に動作しました

UC100の話の中でMach3がWindows10で動くという情報があり、ホンマでっか!?と調べたらMach3のフォーラムなどでガセネタでないことが確認できました。
UC100を使えばノートパソコンでもOKみたいで、どうするか考えています。

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ルーター自作用の図面 – HobbyCNC

公開: 2020/08/27

このブログのスタートは機械の自作とその制御などですが、そこで使っているステッピングモータ制御基板を販売しているHobbyCNCのホームページに面白いものがありました。

DIY CNC Router Plans というもので、製作の詳しい説明と図面を$14.95でダウンロード販売しています。
あくまでも材料(合板あるいはMDF)を切ったり削ったりしてルーターの形にするだけの資料で、実際に動かすにはモータや制御基板、送りネジなどのハードウエアが必要ですが、
自分で作ってみたいけどどこから始める?というような人には役に立つと思います。

実際に買って中身を見た訳ではないので無責任な話ですが、FAQやフォーラムもあるので挑戦してみてはと思います。

今のオーナーは気さくな兄ちゃんという感じの人で(感じだけで実際の歳は知りません)、もともとHobbyCNCのユーザーで2015年に創業者から事業を買い取ったそうです。
ホビーユーザー向けに低価格で良い製品を提供するというポリシーを受け継いでいるんだよと書いていました。

残念ながら日本語ではないですが、他の製品の説明などを見ても英語もわかり易く(英語圏のちゃんとしたマニュアルは皆そうですが)、習った英語の復習もできて一石二鳥では?

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CNCフライス(11) 機械の精度 奇跡(!?) — その後の調整(追記)

公開: 2020/06/25
一部文言修正: 2020/06/29
その後の調整追記:2020/08/13

自作機の精度についてちょっと理解し難い点があって、6月17日にいつもお世話になっているCNC掲示板に投稿させていただきました。
いろんな測定をして何だったのかは分かったんですが、掲示板では図や写真をたくさん使えないので、ここでまとめました。

発端は何かというと、
・テーブルにストレッチ(Straight Edge)を置く、
・スピンドル部にダイアルゲージを付け、Y0でゼロに合わせる、
・走らせると徐々に増加、Y300で約 0.05 (=Y軸が下がっている)
 @Y0 ==>  @Y300

この状態なら、手前(Y0側)で削ったものより奥(Y300側)で削ったもののほうがが薄くなるはずなのに、実際には全く同じ厚さで差はありません。
以前から気が付いていたんですが、加工精度に問題が無いのでそのままにしていたものを「こんな現象をどなたかご存知?」と投稿してみたものです。

いろいろ書き込みをいただいたんですが、基本的なところからチェックしてみようと以下の通りやってみました。

測定(1) テーブル面からY軸ビームの高さ
ヤンキーバイスにピックテストを固定して、リニアガイド・レールのテーブル面からの高さを測りました。


手前(Y0)をゼロにして、奥(Y300)の方へ30〜50mm間隔で測っていくと

徐々に数字が増加して、奥の方が0.07高い = Y軸が上がっている

数値の差はありますが、テーブルに置いたストレッチで測った結果と真逆です。

測定(2) 測定位置による数値の変化は?
スピンドル部にダイアルゲージやピックテストを固定していますが、測定位置によってどう変化するのか調べてみました。

上のように、ピックテストの測定レバーの向きを変えてテーブルに置いたストレッチの上を走らせてみると、左の状態では全長にわたってほぼゼロ(0.01以内)、右の状態ではY300で+0.08程度(手前から徐々に増加=Y軸が下がっている)になりました。

初めに書いたダイアルゲージでの測定では最大+0.05程度でしたが、取付位置が違っていたことを考えると同じ結果です。
これで、加工したものに差が出ない理由が判りました

念のため、スピンドル先端とテーブル面からの高さ変化を見ましたが、全長にわたりほぼゼロでした。

測定(3) Y軸ビームとテーブルの直角度
Y軸送りネジがレール上面より出っ張っているので測定しにくく、スコヤを立ててZ軸(スピンドルのベース)の押さえ板表面との傾きを見ました。
手持ちのスコヤで測定範囲は約75mmです。

Y0(下左)では、スコヤを押し付けて下側が当たっている状態で、上端に0.07のスキミが入ります。
Y300(下右)では、全面がほぼ密着しています。
 
ということから、Y軸ビームが言わばのけぞった状態からY300に向かって徐々に起き上がっているということになります。
掲示板に投稿する時に測ったのは0.05くらいでしたが、スコヤの板厚が薄くて測りにくいのでだいたいこのくらいという程度です。

結論:
これらの測定値から言えることは(Y0側を基準として)、
Y軸上のスピンドル部の動きは;
測定(1) の数字からは、Y300に向かって 上がっていく
測定(3) の数字からは、Y300に向かって 下がっていく

結果として、(1) (3) が絶妙かつ奇跡的(!)に打ち消し合ってスピンドル先端は真っ直ぐに動き、加工精度が出ていたということです

Y軸周りをバラして組み直してみようと考えています、時間はたっぷりあるので …

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**** 2020/08/13 追記: 調整した結果 ****

前の測定結果からY軸ビームがねじれていることが想定されたんですが、ねじれ具合を精密に測定する方法がないので、トライアル&エラーでシムの位置と厚さを探してみました。

余計なことですが、トライアル&エラー(Trial and error)をトライ&エラーと書いている文章が多くて気になって仕方がありません

測定しながらあちこちにシムを入れたり取ったりしていたんですが、あちら立てればこちらが立たず的な結果でした。
そこで、ねじれているという原点(?)に帰ったらここやろと、Y軸ビームを取付けているX軸サイドプレートの手前側(Y0側)にシムを入れてみました。(図の赤丸位置)

X軸サイドプレートへの取付け面は長くないので、測定結果から概算して0.02のシムを入れてみました。
調整の方向としてはOKでしたが修正量が不足だったので、シムを0.03にして各部のボルトをしっかり締めて測定した結果;

  • スピンドル回転中心のテーブル面に対する垂直度
    X150位置で、ピックテストを取付けて振り回し、下図赤丸の10点で最大差は0.03

  • ピックテストをそのままに、ストレッチを渡してY0〜Y300まで走らせて測定、
    最大差は0.02

    写真の反対側へ振り回すとX軸サイドプレートが邪魔でストレッチが置けないので、ピックテストの取付を延長して測定するも結果は同じ

  • 工具先端のゼロセットと同じ要領で、X50Y50からXY共に50の増分でX250Y250まで25点を測定、最大差は0.02

ということで、「なんやこれだけかいな?」という気もしますが、満足できる結果を得ました。

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アクリル板の加工 – 治具(ジグ)改良

公開: 2020/07/29
編集:2020/08/08
Click English to see “Chamfer Acrylic plate (Mask hanger) – JIG” 

アクリル板加工の記事で、裏面の面取りをするための治具について書いていますが、改良版(?)を作りました。
前のはプラスチック系の材料が手元に無くMDF材で作りましたが、机の下に転がっていた材質不明のプラスチックを見つけて大きさギリギリでしたが使えました。
いつ手に入れたのか覚えがないんですが、ABSみたいな削れ方でした。
ABSは強度はあるんですが、送り速度を思い切り上げとかないと切削熱で融着することがあります。

前回の考え過ぎを反省してシンプルにポケットを加工したのが ⬇️
左下赤枠はコーナー検出用のアルミ板で、右下のホースが集塵機へ繋がっています。
この材料(幅70mm)なら立ててもY軸ガントリーに当たらないので、ホース接続孔の加工が楽でした。

アルミ板は、Mach3スクリーンセット(Screen2010)の “X-Y Probing Wizard” を使ってコーナーのゼロ点検出ができるように付けてあります。
(詳しくは「
CNCフライス(5) Mach3+Screen2010」)

実際のコーナー検出動作 ⬇️ (音が出ます)
スピンドルにつけているのは折れた(折った!)エンドミルのシャンクです。


治具は、
 (1) 固定用ボルト穴と裏面のΦ5ピン穴を加工、
 (2) センサー用に適当なアルミ板を取付(接着)、
 (3) テーブルに固定して、アルミ板コーナーとポケットを加工
という手順で作っているので、テーブルのどこでもXYのゼロ点を合わせれば作業できます。

XYのゼロ点が出たら、工具先端の位置を合わせます(Zゼロ) ⬇️ (音が出ます)

工具の当たる検出ベースはいつもは指で押さえていますが、汚い指(!)が映らないようフリーにしていたので、押さえた時と0.01程度のズレがありました。

部品を載せてみると、パチっと気持ちよく嵌り吸引力も強いです。
これで加工準備完了です。

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アクリル板の加工

公開: 2020/06/18
修正、動画追加: 2020/6/19

いつも、と言ってもそんなに頻繁に買っているわけではないですが、アクリル板を購入しているサイトが「在庫なし」 が続いていました。
武漢ウィルス対策のための仕切り板などの注文が多くて、小口(?)の販売ができなかったようです。

5月下旬に注文できるようになっていたので、布マスク用ハンガーを作るのに透明カラーのものを注文しました。
300x450mm-3mm厚を自作機に載るように半分に切ってもらい(カットの刃物が4mmなので、300x223mmが2枚)、
多数個取りできるよう配置を考えます。
VCarveProにはその機能(Nest parts)があるんですが、基準にする方向(X,Y)などの設定を変えてみたりちょっと手間がかかります。
部品の形によっては簡単にできますが、この場合は形がいびつなので設定をいじって試行錯誤の結果、下のような配置が出てきました。

薄板を加工するときは両面テープ(幅5mm、アルミなどは10mm)で固定しますが、部品の形に応じてテープを貼る位置も考えておかなければなりません。
VCarveProが考えてくれた(!)配置では、穴のあるアーム部分がバラバラになっていて両面テープが貼りにくいので、結局、X軸に並行にテープを何本か貼ればいいように手作業で下のように配置しました。
(アームの先端近くにテープがないと加工の後半でズレるのでは?と考えています、心配症?)

いつも使っている両面テープは日東電工NW-5000NS(厚さ0.16mm)ですが、加工中にエンドミルで引きちぎれたようになってもノリ残りが少なく、使い勝手がいいです。
Amazonでは幅15mm以上のものしかなくて、幅5mmや10mmはMonotaROで買っています。

加工手順(1) 外形、穴加工
3mmエンドミルをセットして、穴 ⇨ 外周 ⇨ 外周仕上げ※1 を行います。
加工の切込み(Z)は板厚と同じにしていますが、アクリル板の厚さ公差は±0.1mmくらいあるので、加工前に何ヶ所か実測して最小値を確認しておく必要があります。
確認しないと、最悪の場合、機械のテーブルに部品の形がクッキリと ….

切込み(Z)を最小値にしておくと両面テープを削り込むのが少なくなるので、剥がす時に少し楽になります。
板厚のバラツキで薄いバリが残ることがありますが、裏面の面取りで削り落とされます。

加工手順(2) 面取り
エンドミルを先端角90度のリーディングドリルに交換して面取り※2 すれば、部品を取り外します。

※1 外周仕上げ:
エンドミル径公差がマイナス0〜0.03なので外形寸法がプラスに仕上がるため、工具オフセットをマイナス0.02くらいにして仕上げのパスを入れます
※2 面取り:
リーディングドリルで外周と穴の面取りをします
4mmのリーディングドリルを、
工具径1.1mmの設定で切込1mmで加工するとほぼC0.5になります

加工手順(3) 裏側の面取り
まとめてできないので1個づつ加工するように治具を作りました。
面取りだけなら大きな切削力がかからないので、部品外形を掘り込んだ板に嵌め込むだけで固定できそうに思ったんですが、浮き上がりを防ぐために切削くず集塵用吸引装置に接続して吸着できるようにしてみました。

MDF12mmの板に下図の点線のように排気のための深さ8mmのポケットを加工してから5.5mmの板を接着し、その上に部品の形を掘り込んで空気が抜ける(部品を吸引する)ように5ヶ所に穴を開けたものです。


MDFというのは木材の繊維を樹脂で固めたもので、早い話が分厚い紙で安いです!。
加工はし易いですが、精度はあまり期待できません。
出来るならもっと密度の高いケミカルウッドなどで作りたいんですが、手持ちの材料で適当なものがないのでMDFにしました

考え過ぎて失敗!の見本みたいですが、穴だけではまったく吸引力が弱かったので下のように切り開きました。

部品を置いて集塵用のスイッチを入れれば、ペタッと引きつけます。
ポケットの形を工夫すれば、18〜20mmの板1枚で行けたみたいです。

実際の工場では、バキュームテーブルとか呼ばれる真空ポンプで強力に吸着する装置がありますが、ここでは気休め(?)程度に吸着してくれればいいかなっというレベルです。

実際に加工しているところ;(音が出ます)

早送りはF1500、外周加工速度はF1000です。

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CNCフライス(10) ネジ加工のテスト

公開: 2020/02/16

いつも拝見している自作CNC掲示板の最近のスレッドで、CNCフライスでネジを切る話が投稿されていました。
旋盤ならネジ切りは問題ないでしょうが、フライスでネジ切りする(機械にやらせる)のは難しいです。

メーカー製のフライス盤などは、特殊なネジ(径が大きいとか、ピッチが特殊など)は別にして、一般的なボルト穴は工具交換装置でタッパーを使うのが普通と思います。

しかし、趣味のCNCでは;
 – 主軸の回転位相を制御するのは無理と思われ、
 – タッパーが使えるくらいまで主軸回転を落とせない(多分!)、
 – タッパーを使うにはZ軸の余裕がない(多分!)
 – 余裕があっても、工具交換が面倒(?!)
ということで、機械で下穴ドリルを開けておいて、タップは手作業というのが一般的でしょうか。
ハンドタップを使う時はタップの垂直を出すために、シャンク径に合う穴を開けたブロックを作ってあります。

ところで、上記のスレッドに、外ネジを自作フライスで加工する動画を投稿された方がおられました。
それを見て、Mach3に付属していた Addon にネジ加工があったのを思い出し、以下に実際にテスト加工してみた経緯をまとめました。

まず、前にも書きましたが、使っているのは、
 – Mach3 (R3.043.062) + Screen2010 1_1_2
このスクリーンセットを使っている人は日本にはいない?
以下の説明は一般的でないかもしれないので、参考としてください

このスクリーンセットでは Mach3 Addons for Mill というアドオンをツールバーから呼び出せるようになっています。
Mach3標準のスクリーンセットでも使えると思います。
先ほど調べてみましたが、現在入手できるのは Mill Wizard という名前になっていて、同じことができると思いますが、画面も全く変わっているようです。
また、2011年当時のライセンスは$50でしたが、現在の Mill Wizard は$75です。
余談ですが、当時は円が高くて1ドル79円ちょっとでした。

アイコンをクリックすると、下のような画面に切り替わるので、右上の Thread Milling をクリックします。
このAddonはちょっとした加工をCAMソフトを使わずに手早くできるのでとても便利です。
穴加工もスパイラル切込みができるので、よく使っています。

次の画面で、工具径や送り速度を入力します。

入力したら Continue をクリックして、次の画面になります。
ネジの谷径というのは、ピッチが大きい場合(=切込大)は一回では無理なことがありますが、
谷径を変えて加工を繰り返してもネジ山がずれることはありません。

ただ、生成されるGコードはネジの切り上げ側からスタートし(図の下側)、水平方向の逃げもあるので、クランプなどと干渉しないかよく見ておかないと危険です。

インチ・ミリの確認、右ネジか左ネジか、外ネジか内ネジか、ネジ中心座標、谷径、ピッチ(インチの場合はTPI=インチあたりの山数)、上部の逃げ、ネジ長さなどを入力して、Save Settings => PostCode をクリックすると、Mach3の操作画面に戻ります。

とりあえず実際にやってみようと、まず、手元にあった彫刻用のカッター(径1/8″)を取り付けられるようにホルダを作りました。
スピンドルのコレットナット外径より大きくするという意味もあり、写真の状態で刃先径は38mmです。

塩ビパイプの端材で加工してみました、外径や切込みは適当です。
切削開始時;

 

3回に分けて削った最後のパス;

 

カッターの刃先角が90°なので、出来上がったネジはえらくトンガっています。

外ネジの最小径はいくらでもいけそうですが、機械の構造・カッターホルダの大きさ・材料強度などの条件により、細くて長いネジは無理です。
内ネジの最小径は、
旋盤の穴ぐりバイトみたいなのを作ってもM10くらいが限界で、実用的ではありません。
しかし、何か部品を作った時に適当な寸法でネジを切って組み合わせるなど、これこそ、趣味の世界?!

実際に使う機会が来るかどうかはなはだ疑問ですが、その時のために先端角60°のカッターをeBayで注文してしまいました …. $7.7

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CNCフライス(9) 円柱状部品の芯出し

公開: 2019/04/29

以前の記事の後半に Probing について書いていますが、円柱状部品の芯出し精度の確認をしてみました。
加工が終わっていったん外してしまった丸物の面取りや、追加工の位置決めなどに使えそうです。

Screen2010 の画面上のメニューバーにある  をクリックすると、Probing の画面になります。

必要な設定は;
① Porbe Tip Dia.: プローブとしてスピンドルに掴んでいるロッド径
② Z Clearance: ワークを安全に乗り越えるのにZ軸を引き上げる距離
③ Edge Length: ワークの直径+5〜10mm

Y+方向への動作からスタートしますので、ワークの手前へ適当な距離をとってスピンドルの位置を合わせます。

測定を始める前に、ワークが絶縁されている=アースに落ちていないことと、スピンドル側についているクリップをワークに当てた時に  が緑に点灯することを必ず確認します。

実際の作業では、状況に応じてワークの取り付けに工夫が必要でしょう。

 をクリックすると、スタートします。

実際の動作;

Y+方向へ(150mm/min)、タッチしたら後退して低速(25mm/min)で再度検出
Z上昇(15mm)、反対側へ25mm+6mm(プローブ直径)移動、Z降下、検出
Z上昇、X+側へ移動、Z降下、検出
Z上昇、X−側へ移動、Z降下、検出
Z上昇、X0 Y0へ移動して停止

停止した位置 (X0 Y0) で、スピンドルにピックテストを付けて振り回し、芯ズレを測定してみました。

芯出しと測定を2回行いましたが、ピックテストの読み(TIR)は0.05〜0.08mmで、芯ズレは0.04mm程度以下と考えられます。
ピックテストの精度、スピンドルの振れなどいろんな要素が絡んでくると思われますが、まぁまぁかなと納得しました。

スタート位置を左右(X方向)に1〜2mmずらしてみましたが、ほとんど数値の変化はなかったので、目で見てだいたいワークの中心線上にあれば問題ないようです。

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ドラッグナイフ

編集: 2018/07/06

ドラッグといっても、怪しいドラッグではありません。

怪しい方はDrugで、ここで言うのはDragです。
Dragは引きずるとかいう意味ですが、紙やフィルムを切抜くブレードが自由に回転し、かつ刃先が回転中心から少しズラしてある刃物をドラッグナイフといいます。

イメージとしては左のようなものですが、刃先を回転中心からズラしてある(=オフセット)のがミソで、方向変換しても刃先が回ってうまく切れるようになっています。

調べてみると色々な形式があって、カッターナイフの刃を折って付けたような大きいのもあります。
原理が分かって、作ってみたいなと以前から思っていたんですが、刃は?、回転するように
取付けるには?など、具体的なアイデアが浮かばず忘れていました。

暇な時に(たいがいヒマですが) eBayを見ているとカッティングプロッタという製品が何種類かあって、交換部品として「ホルダー+ブレード3種類各5本セット」というのを見つけました。ローランドDGの製品用となっていましたが、¥600弱の驚異的価格に思わずポチッと注文!

フィルムの厚さやカットする文字や図形の細かさによってブレードを選ぶようです。

とりあえずスピンドルに取付けられるように、ホルダーの頭をø6に削って;

アップルマークを切り抜いてみました。

切り抜くシートは「エーワン手作りステッカー 29421」を使いました。
本来は白地のフィルムに印刷して保護フィルムを貼るタイプのものですが、白地のままでアップルマークを切り抜いて不要部分を取り除き、保護フィルムを貼ってハサミでカットしたものです。
写真は、キャビネットに貼ったものですが、保護フィルムがかすかに写っています。
りんごのカットがキレイでないのはシートの固定がうまくいってないのか、刃がしっかり保持されていないのか … 課題です!
カッティングプロッタの場合は、プリンタのようにシートが動くんじゃないかなとおもっいますが、現物を見たことがないので分かりません。
ただ、シートはプリンタのように出てくるだけでなく、戻る方向へも動く???

 

何だかしっくりこないな〜とebayを見ていると、他にもホルダーがありました。
替刃なしで、最初のと同じくRoland用となってましたが、形状・寸法が違います。
コンパクトで、スピンドルに取付け易そうなので注文しました。

前のもそうですが、けっこう凝った加工をしてあるのにナンで?という低価格です。

部品を外すと;
–  先端のキャップ(黒いプラスチック)
–  ホルダー本体
–  ナット(高さ調整、多分)
–  後ろのキャップ(高さ調整ナットのロック、多分)

ホルダー本体をバラしてみると、下のような部品が入っています;
右側の丸棒は、ブレードを交換する時に押出すためのもので、無くても構いません。
真ん中の黄色いのは、真鍮パイプにブレード後端のテーパ部を受けるベアリングと抜け落ち防止のネオジム磁石(強力!)が入っています。

ホルダーにブレードを挿入したところ;
先端には内径2mmのベアリングが入っていて、ブレードの外径が1.95mmなのでわずかにガタがあります。

最初のはホルダーを加工してしまったので、これは手を加えないでスピンドルに取付けられるようにアダプタを作ります。(固定の押ネジのための面加工だけしておきます)
アダプタにホルダとø6ピンを入れて押ネジで固定し、スピンドルに取付けます。
 


押ネジを加工してスピンドルに取付けたところ:
カットするときは、スピンドルモータのコネクタを外しておきます。

数少ないフォロアー(!?)から、このところ投稿が無いという声をもらったので、とりあえずアップしました。
これからいろいろカットしてみましょう。

追記:
切り抜くシートをどう固定するか考えていたんですが、思いついて1mm厚のシリコンラバーを敷いてみました。
表面の摩擦が大きく、押さえられた時には更に滑りにくくなり大丈夫そうなので、直径90mmの丸いシールを切り抜いてみました。深くカットしても刃先がシリコンラバーに食い込むだけなので、ベースの表面精度もカバーしてくれます。
カッティングプロッタの製品もゴムローラとかで受けているのかもしれません。

下の左側はカット完了の状態。上下左右の黒いのは位置合わせの手書きマーク。
右側は、切り抜いた丸とその残り、シリコンラバー、ベースのアクリル板(黒)です。
念のため四隅をセロテープで止めましたが、ブレードが動いて行く時にシートがシワになったりすることもなく、きれいにカットできました。
送り速度は400mm/minですが、もっと早くてもいけそうです。
  

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CNCフライス(8) ワークテーブル改良

編集 2018/4/30

機械本体の説明の記事にも書きましたが、ワークテーブルのT溝の底に本体フレームと補強材を止めているボルトの頭が見えていて、切粉が引っかかってTナットがスムースに動かなかったりして困っていました。
本体フレームごと作り直せばいいんですが、費用の問題もあるし、そこまでしなくても何とかならないかと考えて、薄板を挟むことにしました。

写真はすでにワークテーブルを外した状態ですが、取り外す前に手元にあった1mm厚のアルミ板(300×200)2枚にワークテーブル取付ボルトが通る穴を加工しておきます。
ベースプレートは300×445ですが、全面を覆う必要はないのと300mm以上はずらさないと加工できないので2枚を合わせることにしました。

ワークテーブルは外すとバラバラになるので、組み戻しできなければ最悪作り直すことにして、バラシをスタートします。
取り外すと、幅の広いのが5個、両端の狭い幅のが2個になります。

汚れをキレイにして、アルミ板を挟んで組み立てます。

  

まず、中央の1枚をX方向にピックテストを走らせて平行を出して固定します。隣の部品はø5ピン(h7)に0.01mmのシムを挟んで押し付けながら、端面のX方向の位置を揃えて固定します。残りの部品を同じように組み付けていきます。
0.01mmのシムを挟んで合わせることで、溝幅はH7〜H8相当になるはずです(!?)。

X0〜100あたりに加工してあったø5ピン穴(加工時の位置決め)を正確に元どおりに揃えるのが難しいため、各部品を180°回転して取り付けています。
このため、X300 Y300に近い今までほとんど使っていない部分(T溝幅がわずかに狭いのに目を瞑っていたあたり)がX0 Y0 付近に来ました。
全部品を固定した後に、ピックテストで確認しながらT溝の幅を削正します(ズレは1/100程度)。

取付ボルトの穴に1mm厚ゴム板をø8の皮ポンチで打ち抜いたもので塞ぎ、面出しをして出来上がりです。
アルミ板の端は何も押さえるものがないので、皿ビスで固定します。

位置決めに使っていたピン穴はø5皮ポンチで打ち抜いたゴム板で塞いであります。
また、ワークテーブルの長さを両側5mmづつ削って290mmにしました。
何ヶ所か、Zの設定を間違って削り込んだ跡が残っています。
位置決めピンは今後必要に応じて追加工します。

T溝の底は、当然ながら、気持ちよく(!)きれいになっています。

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CNCフライス(7) Z軸、スピンドル

編集: 2018/02/28 19:00

Z軸全景


Z軸上下機構

Z軸は、Y軸上を動くZベースプレートの上に組み付けてあり、スピンドルプレートが上下に動きます。

Y軸は、X軸と同じ機構でZベースプレートを動かしています。

スピンドルプレートは、Zベースプレートに組み付けたガイド部のスライドプレートに案内され、送りネジは ヒロスギネット で購入したM6精密ロングネジ(SUS303)を使っています。
スペースがないので台形ネジが使えず、M6寸切を使ったこともありましたが、精度や表面仕上げが悪いので上の製品を見つけて交換しました。
ナットはジュラコンから削り出して、X、Yと同じくダブルナットで与圧をかけています。

MDF材で作った最初の機械は全軸ともにスライドプレートが無く、アルミアングル(アルマイト加工)で直接MDF板をガイドしていましたが、フレームをアルミに変えた時に2mm厚のテフロンシートをカットしてスライドプレートとしました。
その後、XY軸はリニアガイドに改造しましたが、Z軸はスペースが無く当初のままです。

スライドプレートは、摩擦係数が低いとしてテフロンを選択したんですが、テフロンシートは大根の桂剥きみたいにして作るそうで、0.02~0.04mmの厚さムラがあります。
接着などができないので厚みを加工(両面)することができず、素材を寸法にカットしただけで使っていて、当たりが出ていないのがずっと気になっていました。

昨年、実際の摩擦抵抗を測ってみてあまり違わないのでジュラコン(POM)に変更し、片面を仕上げて皿ネジで固定してから厚みを仕上げるようにしました。
ただ、押さえの皿ネジは、強く締め込むと板が波打つので、わずかに押さえ込む程度でロックタイトで緩み止めをしてあります。

スライドプレートの両面を切削したので接触面が均一に当っているようで、加工精度が上がったような気(!?)がします。

ガイド部は、スライドプレートを90度に取り付けたアングルブロックと押さえ板で組んでいます。
アングルブロックはZベースプレートに、押さえ板はアングルブロックにボルトで止めてありますが、押さえ板にはアングルブロックのボルトが見える穴を開けています。
この構造で、スピンドルプレートの厚さ方向と幅方向のクリアランス調整を独立させています。
厚さ方向は押え板の取付面、あるいはジュラコン材の裏側ににシムプレートを入れて調整することにしていましたが、幸いシムプレート無しでピッタリでした。
幅方向の調整は、ワークテーブルY方向に対するスピンドル上下の鉛直度の調整も兼ねています。

摩擦抵抗を少しでも低くするため、スライドプレート表面にエーゼット CKM001を塗布してあります。
のオイルは各軸の送りネジにも使っていて、ダブルナットの与圧を強くしてもステッピングモータの負荷が小さくなりました。
それまでのオイルでは、寒い時期に電源投入直後にG0で動かすと脱調することがあったのが、まったくなくなりました、すごいです。

スピンドル

スピンドルは、当初の機械はベアリングをアルミアングルで支えているような簡単なもので、スピンドル自体も近くの鉄工所で作ってもらったものでした。
その後、10mmシャンクのER11コレットチャックに変更し、ベアリングブラケットを作り直しました。

さらに、THKリニアスライドSC16の内径がちょうど#6001ベアリングの外径(Φ28)に合うのに気がついて、コレットチャックを12mmシャンクのものに変更し、ベアリングケースにしました。

左が10mmシャンク(#6000)の旧タイプ(コレットチャックは抜いてあります)、右が現在のSC16+12mmシャンク(#6001)です。
12mmシャンクのER11コレットチャックは、シャンクに8mmくらいの通し穴があるので、長いエンドミルやドリルを保持するのに好都合です。
長さは、ダイアモンドコッピングソーで比較的簡単にカットできました。

eBayで購入したのでテーパ部の振れ精度などがでしたが、TIR 0.01以内に収まっています。
同じくeBayで買ったコレットはスリ割の仕上げが酷く、ダイアモンドヤスリで仕上げないと使えなかったんですが、振れ精度はとりあえず使えるレベルでした。
コレットは結局、
イスカルの6mmをモノタロウで購入しました。
eBayなら10個以上買える価格でしたが、精度は言うことなしです。

小径のエンドミルやエンドミルシャンクドリルを使うため、大昭和精機のストレートコレット(外径Φ6、内径Φ3とΦ4)も購入しています。
1/8″(Φ3.175)のコレットが欲しいのですが、いいのが見つかりません。

THKリニアスライドSC16は、長さがそれまでの自家製ベアリングホルダとほとんど同じで、モータブラケットやZ軸送りステッピングモータなどをいじることなく入れ替えることができました。
下図はスピンドルの断面ですが、上下のベアリングの内輪間にスリーブを入れて、円周4ヶ所の皿ネジ+ローゼットワッシャでベアリングの外輪を押さえています。


スリーブは、ベアリングの幅とベアリングケースの幅から長さを決め、適当な与圧がかかるように摺り合わせをしています。
まともな設計なら外輪側にもスリーブを入れて与圧を合わせるんですが、ベアリングケースの上下面が平行であると期待して(!)手抜きをしています。

下の写真は、上面のベアリング押さえネジ(スペースの関係で4ヶ所)と、回転数検出の光電センサ、反射シールを貼ったカップリングが見えます。

下面にLEDと配線を埋め込む溝を加工して、運転中はエンドミルなど工具の周囲を照らすようにしています。

下の写真は真下から見上げたもので、下面にLED保護のために2mmの透明アクリル板を取り付けてあります。

切粉カバーと吸引装置

加工時の切粉(キリコ)は、特にケミカルウッドやコーリアン樹脂の場合は非常に細かいので、何らかの方法で収集しなければなりません。
オリジナルマインドでブロワファンMBD10-24Aというのがあったので、アクリル板でケースを作り、市販の掃除機用紙パックが使えるようにしました。

モータ部分が壊れた(壊した!)ので、24VDCモータに替えてあります。
ダクトはホームセンターで買ったものです。

スピンドル側は、取り外しできるようなスカート状のカバーを作りました。
8mmのアクリル板で形を切り出して2mmの溝を入れ、クリアファイルを切ったものをゴム板で押し込んであります。
10mmくらいの間隔で切り込みを入れ、ワークに引っ掛からないように、またカッターに巻き込まれない長さで、傷んだら交換は簡単です。
切削状態が見えるというのは、削るのが好きなオジさんにはたまりません。

ブロワファンは、けっこう吸引力はあるんですが音も大きく、加工中は切削音より吸引装置の方がうるさい状態です。
静電除去装置をつけてからはゴーゴー吸い込まなくてもよくなりましたが、掃除機(古いダイソンは別にして)に近い騒音なので、スイッチング電源のトリマーで電圧を調整して必要最小限にしています。

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CNCフライス(6) ワークテーブル、X軸、Y軸、Motor Tuning

編集: 2018/02/27 17:00

機械全景

左右方向がX軸、前後方向がY軸、スピンドル上下がZ軸です。
奥に見えるのはプラスチックなどの静電気対策の除電装置で、スピンドルの上に見える赤いクリップはZゼロ点検出のアース側ケーブルです。

最大加工範囲は X300 x Y300 x Z70ですが、X方向はもっと長いものも取り付けることができます。
左端に見えるのがX軸のステッピングモータ、Y軸のモータは隠れて見えません。

いわゆる門型で、スピンドル(Z軸)を含むY軸の構造部が動くタイプです。
フライスにはワークテーブルがXおよびY方向に動くタイプ(立型、竪型とも)もありますが、立型はY方向の動き(フトコロ)が大きく取りにくいのとX方向にストロークの2倍以上のスペースが必要なので、採用しませんでした。

アルミ素材は、一部を除きオリジナルマインドでA5052またはA2017(ジュラルミン)を寸法指定で購入しました。
大きさにもよりますが 300mmくらいまでだと、寸法公差 ±0.1 程度の4F加工で送ってもらえます。
 平行・直角は0.03mm程度で仕上がっていて、部品によっては外周加工なしで使えます。

以下の説明はこの機械に限ったもので特殊なこともあるので、あくまでも参考としてください。

ワークテーブル

図はX軸+方向から見た断面で、Y軸は右が+になります。
X軸送りナットを取り付けている板(クロスビーム)がリニアガイドで支持されていて、その両端にY軸機構を支えているコラムが載っています。
Y軸リニアガイドにZ軸機構が載って左右に移動しますが、図では省略しています。

アルミ材に変更した当初はワークテーブルが無く、本体フレーム上面にタップを立ててワークを固定していましたが、位置の自由度が低く固定が面倒なのでワークテーブルを追加しました。

ワークテーブルのT溝は専用カッターで加工したものではなく、下図のように12mm厚のアルミ板に10mm幅の溝と取り付けのボルト穴を加工して反転し、本体フレームに取り付けたのち5mmの溝を加工したものです。
この構造のため、ワークテーブルは取り外すとバラバラになるので、作り直すときでなければ解体できません。
なお、ワークテーブル上面に出るボルト穴は、キャップボルトの座繰りを少し深くしてシリコンラバーなどを打ち抜いたものを入れとかないと、切粉の掃除が面倒です。
失敗したのは、本体フレームの断面を見てもらうと分かりますが、ワークテーブルを載せているフレームとその下のビーム材を固定しているボルトが、T溝のラインと合ってしまったことです。ここに切粉がたまって困っていますが、座繰りの深さが十分で無く(組んだままで追加工ができない!)、ワークテーブルを作り直すかどうか思案中です。

真鍮材でT型ナットを作り、ワークの取り付けが楽になりました。また、5mmのピンを立てて当たりにすれば、ダイアルゲージなど不要で簡単にワークをX軸に平行に置くことができます。

X軸、Y軸

ストロークは310mmで、ワークテーブルの大きさをカバーしています。
送りネジは30度台形ネジΦ10 ピッチ2mmで(オリジナルマインド自作用部品)、
軸端をΦ6に加工してあり、ネジ(M6細目)が切ってあります。
ナット(MCナイロン)も同じですが、いずれも現在は販売していないようです。

X、Y、Z各軸の送りネジの端を支えているベアリングはすべて606ZZ(内径6mm 外径17mm 幅6mm)で、ベアリングケースは厚さ12mmのアルミ板です。
ベアリングケースの形は図の通りですが、X軸はX+側、Y軸はYー側を支持しています。(Z軸はちょっと違うので別記事で説明)

ボールベアリングは与圧をかけて軸方向の遊びを抑える必要があり、次の要領で取り付けます;
 - ベアリングケースにはベアリング押さえのタップ(M3、両面)を加工(Y軸)
 - ベアリング内輪にシム(下図の赤色部分)を挟んでナットを締め、ケースに仮組み
   市販のアルミ板の厚さはプラス公差なので、シムは0.1mm程度を入れてみる
 - 片側のベアリング押さえのM3ボルト+ワッシャを締め込む
 - 反対側のM3ボルトを締めて、ネジ軸を回して軽い抵抗を感じるようならOK
   > 締める前と同じような軽さの場合は、シムを厚く
   > 抵抗が重い場合は、シムを薄く

X軸のベアリングケースは図のよう加工し、内側にプレートを挟んでベアリングケースを本体フレームにボルトで固定するので、ケースの段加工の深さで与圧を調整する形になっています。


下の写真はY軸の実際の状態。ベアリングを押さえているネジは裏側も同じものです。
皿ネジ+ローゼットワッシャを使っていますが、スペースがあればキャップスクリュウ+平ワッシャなど何でもいいです。
ただ、トラスネジは座面の直角が出ていないのが多く、使えません。
ナット兼用のハンドホイールを作りましたが、組み立て後はほとんど使っていません。

シムは、RCパーツとして TAMIYA SHOP で、内径基準(Φ3, 4, 5, 6, 10)で厚さが 0.1/0.2/0.3mm のセットを売っています。
MonotaRO (モノタロウ) で、ベアリングシムとして内径、外径、厚さそれぞれに豊富なバリエーションから選べます。
モノタロウは事業者向けですが、個人でも会社名を書けば登録できます。一般向けの IHCモノタロウ では、ベアリングシムは扱ってないようです。

X軸(Y軸も同じ)の送りナットは、クロスビームに固定したナットとフリーのナット間にスプリングを入れて、バックラッシュを抑えています。スプリングは必要な形式・サイズのものが、ばね通販のソテックで購入できます。

下図の左側のナットが固定、右側のナットはフリーです。スプリングは50N程度になるよう圧縮していて、これより強い負荷がかかるとネジの遊び分がずれることになりますが、あまり強くするとステッピングモータが脱調してしまいます。
バックラッシュはMach3の設定でも補正できますが、方向反転時に設定値だけ余分に動かすだけなので、機械精度を上げておくことが重要です。

今のところ、アルミ加工などで送り負荷が大きくなっても脱調することはありません。

送りのガイドは、最初はテフロン板を挟んだスライド式のものでしたが、後にTHKリニアガイド(中古)に変更しましたが動きが悪くなり、NSK LU15 0450-AL-K2-K6-1 (オリジナルマインド 未使用中古)に交換して使っています。
オリジナルマインドのページでは詳しい型番が出ていなかったのですが、現品は廃番になっているものの、潤滑ユニットがついた上級グレードのものでした。

ステッピングモータ
両軸共に日本電産サーボ KH56KM2-901 (オリジナルマインド 未使用中古)です。
コネクタはMonotaROで購入できます。
他のモデルでもコネクタは同じみたいです。(11極のコネクタを一つ飛びに6極使用)

速度(早送り)を1200 mm/min に設定すれば、トルクは 600mN-m あまりとなります。
早送りは、普通は切削負荷がないエアカット状態がほとんどなので、現在は F1500 にしています。

組み立てたのちに、Mach3 で送り量などの設定を行います。

Motor Tuning and Setup

Config メニューから Motor Tuning をクリックすると上の画面になります。画面はX軸ですが、他の軸も同じです。

Steps per は単位長さを送るのに必要なパルス数で、
 = (モータ1回転のパルス数 ÷ 送りネジピッチ) ÷ マイクロステップ
で計算します。
モータ1回転が 200パルス、送りネジピッチが 2mm、マイクロステップ1/4 なら、400 となります。

マイクロステップを細かくすると計算上の分解能は上がりますが、メカとしての精度が良くなる訳ではないので、まず機械精度を上げておくことが重要です。
駆動トルクが低下するので実用的な値に留めておくべきですが、細かくすると動きが滑らかになるのでどちらを取るか悩ましいところではあります。また、マイクロステップを小さくすると、パルス生成のためにCPU負荷が大きくなります。
マイクロステップは、分解能としては1/2(=5μm/pulse)でもいいのですが、動きの滑らかさでは1/8くらいにしたいところで、結局1/4(=2.5μm/pulse)にしてあります。

実際の値が半端な数字になっているのはネジのピッチ誤差を補正したもので、Mach3 のマニュアル入力から指令した数値と、実際の移動量の差から計算しています。
例えばノギスを200mm に固定して、マニュアルで 200mm 移動させた時の差をピックテスト(てこ式ダイアルインジケータ)などで測定します。
実測値が 200.04mm だったとすると、補正後の Steps per は (200 ÷ 200.04) x 400 = 399.920 となります。

Velocity は、最大速度 G0です。プログラム中でこれより大きい値を指令しても(例えば G1 X200 F3000)、これを超えることはありません。

Acceleration は、加速・減速時の加速度です。50mm/sec/sec とすると、1500mm/min (=25mm/sec) に達するのに 0.5秒かかります。グラフは数値を変えると変わります。

次の軸へ移る前あるいはOKを押して終了する前に、 クリックしないと変更した数値は保存されません

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CNCフライス(5) Mach3 + 2010 Screenset

編集: 2018/02/27
校正、追記など: 2020/10/15 

Mach3 はCNCに興味がある人は誰でもご存知と思いますが、自作や市販機改造など多くのホビーユーザ(生産現場でも?)が使っているコントローラです。
音速の単位で知られているのでドイツ語読みのマッハと発音する人が多いですが、英語ではマーク[mɑːk]あるいはマク[mæk]です。

今はMach4が出ていますが、まだまだMach3は国内でもユーザーが多いのでネット検索で山のように情報が得られます。日本語バージョンはありませんが、ユーザーフォーラムは大規模なものでとても参考になります。
ライセンスを購入する前はトライアル版(Gコードが確か500行しか実行できない)として使えますが、ライセンス購入後は10,000,000行まで実行可能です。
また、操作画面の見かけを変えるのに有償無償合わせてたくさんのScreensetがあり、ソフトの知識があれば自分で画面を編集できるようにもなっています。

私は、ツールパス表示部分が大きいのと見た目がシンプルなのが気に入って、標準の1024.setではなく、最初から下のような 2010 Screensetを使っています。
ユーザーが増えてほしいと願っているんですが、国内には誰もおられないようです。
2020/10/15 追記:
ベンダーに聞いてみたら、日本で10人余りがライセンスを買っておられるようです。

ツールパス画面は写真(jpg)をPhotoVCarveで生成したものですが、Gコードは約100,000行、加工に数時間かかります。

2010 Screenset のユーザーを増やすため(?)、主な操作・設定の説明をしておきます。
上の写真は運転画面(Run)ですが、他の設定は画面右側中央のRun〜Settingsのタブで切り替えます。

Run 運転

Cycle Start
= 加工開始
Feedhold = 一時停止
 読込み中の行を完了して停止
 スピンドルは止まりません
 Cycle Start で運転再開
Stop = 停止、スピンドルも停止


Feedrate Override % は、マウスで上下にドラッグすると速度調整ができますが、数字を打ち込んでも変えられます (最大値は250%)

Jog ジョグ (手送り)

Jog Mode = 動作の切り替え
 MPG (ペンダントなど)
 Continuous (連続)
 Step (設定量だけ)

Jog Setting = 現在の設定量
 Jog Speed (連続送り速度)
 Step Increment
(設定量)

いずれもキーボードの➕、➖ ボタンで増減、設定値は Settings タブで指定

キーボードからの各軸送りボタンは(Mach3基本設定のままであれば);
 X+ : ⇨  X-: ⇦  Y+: ⇧  Y-: ⇩  Z+: PgUp  Z-: PgDn

 
Tool Change 工具交換の設定
エンドミルなどを交換した時のZ軸ゼロを設定

Auto Zero Settings
 Plate Thickness = プレートの厚さ
 Clearance Plane = ゼロ点を検出して戻る位置

 

写真のようにセットして、メニューバーの  をクリックすると、スピンドルが下がってゼロ点を検出します。

アイコンをクリックする前に必ず、プレートと工具をタッチさせて  のランプがになるのを確認します。
タッチした時に導通が無いと
、工具を破損する可能性があります。

プレートは、写真のようにアクリルなど絶縁体の上に金属板を載せたようなもので、タッチしたときに変形しないように作ります。±0.01 程度でZのゼロ設定(=カッター先端が Z 0.00)ができます。

Tool Change と Probing を使うには、Mach3 の設定と、信号を入れるための電線+クリップが必要です。

Mach3 – Config – Ports & Pins – Input Signals – Probe の設定
パラレルポートの入力に使えるピンを設定 (13ピンを設定)

HobbyCNC ボードの入力は10kΩでプルアップされているので、13ピンとグランドへ配線するだけで使えますが、プレートが13ピン側になるので機械の金属部と接触しないよう絶縁する必要があります。
上の写真ではエンドミルをつかんでいるクリップがグランド側になります。(クリップを付け間違ったので赤色になっていますが、直すのが面倒なので …)
エンドミル側はグランドにつながっていますが、不安定なので、必ず基板のグランドから引っ張ってこないと危険です。

ワークにプレートを載せ、アイコン  をクリックすると;
 下降 250mm/min > 通電確認 > 2mm上昇 > 下降 25mm/min > 通電確認 >上昇
という動作で、工具先端がワーク上面(ゼロ点)からClearance Plane の値まで上昇します。マクロ(M889.mls)を編集すれば速度などは変えられます。

Settings ジョグ速度の設定

Jog % Inc. = 早送り速度に対する%
Jog Step Increments =Step送りの単位で、各軸のボタンを押すごとに進む量

 

それぞれ5段階の設定で、− ボタンを押すごとにサイクリックに変わります。

Options

Optionsタブの Simulateで、ピッタリではないですが、加工時間の予想ができます。

Probing
これらの他に、Probingという画面があり、ワークのXY平面上の位置を読み込んで原点出しに使うことができます。円柱状のワークの中心、丸穴の中心、ポケット加工の中心なども読み込めます。
便利に使えるので、詳しく説明しておきます。

メニューバーの Probing アイコン をクリックすると、下の画面が現れます。

例えば、スピンドルにプローブとして6mmのロッド(エンドミルのシャンクなど)をセットしてグランド側のクリップでくわえておき、ワーク側を13pin側のクリップでくわえます。
ワークが本体と絶縁されていれば(=両面テープで固定されているなど)、13pin側のクリップをワークに当てておけば問題ないですが、金属製のクランプなどで固定されている場合はちょっとしたアダプタみたいなものが必要です。
ワークがアクリルなど絶縁体の場合も同様です。

 

下の写真は、左がエッジ用、右がコーナー用です。コーナー用はエッジ検出にも使えますが、ワークによって使えない場合があるので、エッジ用を別に作ってあります。
   

いずれもアルミ板にアクリル板を接着して削ったものです。コーナー用のアダプタは、L型の両方が同じ寸法になるように加工しておかなければなりません。
いずれも、Tool Change のプレートを兼ねることもできます。
上の写真に描き込んである部分(赤色矢印)の実寸法を

に入れておきます。アダプタを変えたときには、忘れず変更してください。

コーナーの測定は、すべて時計回りに動きます。
  >   =  X軸がに動き、その後Y軸が
  >   =  Y軸がに動き、その後X軸が
  >   =  Y軸がに動き、その後X軸が
  >   = X軸がに動き、その後Y軸が

  > 円柱の場合は Y+からスタート、Z方向にかわしながら、Yー、X+、Xー の順

注意点:
コーナー検出の場合は、プローブをコーナーから約38mm以内に位置させてスタートします。元の値が1.5 inch(38mm)ですが、それぞれのマクロを編集すれば変えられます。下の図は、 の動作です。

その他の入力は次の通り;

:プローブの接近速度

:再接近速度

:検出までの最大距離 (大きすぎても問題なし)

:アダプタを使用する場合のオフセット (上の説明参照)

:円柱測定の場合、移動時にZ軸を引き上げる距離

:スピンドル側につけたプローブ(ロッド) 外径

:測定後の退避距離


:プローブがスピンドル中心でない場合の距離 X、Y

:エッジ検出の際に、指定した距離で2回測定
(下の  参照)
数字がマイナスの場合は、2回目はその軸のマイナス方向へ動く
円柱測定の場合は、直径以上の値を入力 円柱の芯出しは=>

:測定後にエッジあるいはコーナーの座標をゼロにセット
Probe Edge の場合はゼロにならず、Probing Results に座標が表示されます。

:誤ってプロービング動作に入らないようチェック

:チェックを入れると、エッジの2ヶ所を測定し、その軸に対する角度と2点の差を測定 (測定完了すると、チェックは外れます)

測定結果は、次のように表示されます; 
Probe X Pos 、Probe Y Pos = 最初に検出したエッジの座標
Edge Angle = 2点の差 (Edge dx/dy) と距離 (Edge Length) から計算した角度
Pocket X Length 、Pocket Y Length = ポケット測定の場合の各方向の幅
Edge dx/dy = 2点の差
Pocket X Center 、Pocket Y Center = ポケット測定の場合の各方向の幅の中心座標

ハンドコントローラ
ワークの位置決めなどをするのに、Config > System Hotkeys を使って矢印キーなどを設定しますが、フルキーボードは大きすぎて取り回しが悪いので、USB接続のテンキーパッドを使っています。
2010 Screensetでは、RunやJogなど画面切り替えするのにMach3のHotkeysでは割り当てできず、テンキーをカスタマイズできる「DressKey:簡単にテンキーをカスタマイズしよう」を使って簡易コントローラを作りました。
 <2021年2月20日追記:上のDressKeyのサイトは昨年閉鎖されたようです>
このソフトは、AutoHotKeyというスクリプト言語を使って入力を簡単にし、日本語化したものです(と書いてありました)。
ただ、理解が足りないのか一部の設定がうまくいかず、結局AutoHotKeyのスクリプトを作りました。
AutoHotKey はネット検索するとたくさんの使用例や解説があります。

無線接続のテンキーパッドもありますが、うまく設定できないという情報もあり、とりあえずはケーブル付きです。

Run = 運転画面に切り替え (Cycle Startではありません)
Jog F3 = ジョグ画面へ
Step<>Cont = ジョグ時のステップと連続の切り替え
Tool = Tool Change 画面へ
Safe Z = Z軸の退避 (Machine Coordinate のゼロへ戻る)
P = 全軸の退避(Z – Y – X の順に原点へ戻る)
STOP = EStop

これら以外の、各軸の+、ーなどはMach3のHotKeysの設定です。使うときは、適当なジッパー付きポリ袋に入れてゴミ除けにしています。

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CNCフライス(4) ブレークアウトボード (BOB)

編集: 2018/03/11

Mach3の信号を受けて、ステッピングモータを駆動しリミットスイッチやフォトセンサなどの信号入力、スピンドルON/OFFの信号出力を処理するのがブレークアウトボードで、HobbyCNC PRO 4Axis キットを購入(部品は3軸分だけ)、半田付けして組み立てたものを使っています。
4軸全部のキットや、ステッピングモータを含めたセットもあります。
いったん販売を停止していたようですが、最近は完成品も売っていてユーザーフォーラムもあり、サポートはとても良いです。

キットを注文すると、下のような生基板と、必要なIC、コンデンサ、端子台などが送られてきます。

組み立ての順に写真付きで、英語ですがとても分かりやすい説明があります。

説明通りに組んで半田付けを完了すると、下のように完成です。
この後、ドライバICの放熱板(t3アルミ板)と、24V出力を利用して小さな冷却ファンを追加しています。(X、Yのステッピングモータが3Aのため)
ユニポーラ、2/4相、5/6/8ケーブルのステッピングモータがコントロールできます。
マイクロステップは、1/1 1/2 1/4 1/8 1/16 のいずれかを設定できますが、できる限り小さくしておかないとトルクが落ちます。送りネジピッチ 2mmとして 200pulse/rev のモータであればフルステップで 0.01mm/pulse になるので、1/2か1/4にしておけば十分かと思います。
マイクロステップを細かくすると計算上の分解能は上がりますが、機構上の精度が良くなる訳ではないので、まず機械精度を上げておくことが重要です。

入出力用に 10 11 12 13 15 ピンのコネクタがあり、10KΩでプルアップされているので使いやすいです。私の場合は、Mach3 プリンタポートからのDSUB25ピンコネクタを、次のように接続しています。
Index pulse (15pin – IN) : 反射型光電センサを使ってスピンドル回転数検出、表示
Tool Touch (13pin – IN): Tool Change のプレート側へ接続
Spindle ON/OFF (1pin – OUT): リレーを経由してスピンドルモータのオンオフ

Mach3での Config – Ports & Pins – Input Signals の設定

同じく Config – Ports & Pins – Motor Outputs の設定


最初は HobbyCNC EZ という3軸限定のものを6年以上使っていましたが、今は予備として置いてあります。
今のは、アップグレードキット(1軸追加のための部品)を買えば4軸にできるということです。

EZとPROでは、StepとDirが逆なので、Mach3の設定変更が必要です。
入れ替えた時に、半田付けをミスしたのかとパニックになりました。

Mach3からの信号でスピンドルモータをON/OFFするリレー回路と、各軸のホーム位置センサ信号をMach3へ入力する回路は、基板を作って追加しました。

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CNCフライス(3) CAD/CAM

編集: 2018/02/27
追記:2021/03/19

CAD
使いやすいものを選べばいいですが、私はCADintoshを使っています。
ドイツのベンダーですが、GraphicConverterなど数種類のMac用ソフトを出しています。
このCADは、仕事で使っていたUNIXベースのCADと操作が殆ど同じなので、全く違和感なく使えています。
インストールしたMacOSを日本語で使っていれば、完全ではありませんが、表示の大部分は日本語になります。
ちょっとしたバグがあっても、問題点を指摘すれば対応してくれます。

他にもMac用CADはいくつかありますが、CADintoshがもっとも安いです。

WindowsのCADもトライアル版でいくつか見ましたが、私には使えませんでした。
いずれにしろ、CAMが読み込めるデータを書き出すことができればOKです。

Fusion360という3D-CAD(CAM機能もあり?)がほとんどフリーで使えるようで、こういったホームページの図なんかもカッコよくなると思いますが、残念ながら使えていません。

CAM
残念ながら、Macで動くCAMはありません。

最初の1年くらいは、Mach3でなくTurboCNCというコントローラ(MS-DOS)を使っていたのですが、Gコードは手打ちで入力して結構勉強になりました。
Loop文が使えてGコードファイルが小さくなり、確認も楽でした。
TurboCNCはまだまだユーザーがおられるようです。

Mach3を購入してしばらくは付属のLazyCam Betaというなんとも恐ろしい名前(怠け者のベータ版?!)のCAMソフトを使っていました。
付属してくる状態では機能が不十分でライセンスを購入しましたが、たまにおかしな結果を出すことに注意すれば結構使えました。

その後、 VectricCut2D を使っていましたが、加工条件の設定(プランジ量の変更など)がより幅広い VCarvePro へ乗り換えキャンペーンを利用して変更しました。
日本語にも対応していてインストール時に選択できますが、よくできたソフトだと思います。
文字彫刻など、ビットさえ用意すれば、いろいろな加工ができる優れものです。
ライセンス料が今では結構高くなってしまいましたが、Pro版に加工範囲の制限(600×600まで)など少し機能を落としたVCarve Desktopというのもあります。
全てのソフトでビデオチュートリアル(英語のみ)がとても充実していて、英語が理解できなくても画面を見ているだけで分かりやすいです。
ユーザーフォーラムもいろいろあって、ちょっとした疑問があっても検索できて便利です。とんでもない質問も見かけますが、ちゃんと多くのユーザーがヒントを書き込んでくれています。これはMach3でも同じで、私も2、3回質問して教えてもらいました。

同社のPhotoVCarveというリトフェインができるソフトも使っています。
リトフェインというのは写真(jpeg)からデータを生成して、コーリアン(Corian®)などの4mm程度の板の表面を浮き彫り状に加工し、背面からの光で絵が浮き出るものです。
精細に加工するには1mmとかの細いボールエンドミルを使うので、ハガキサイズで7時間くらいかかることもありますが、誰かにプレゼントすると驚かれます。
カラーじゃないの?と言われたことがありますが、無理です。
リトフィンだけではなく、普通に浮き彫り加工できるので面白いソフトです。

なお、全てのVectricソフトは無償のトライアル版があります。

VCarveProとMach3はWindowsXPのデスクトップPCで動かしていますが、セキュリティーの問題があるのでネットには接続せず、CADintoshからのデータの受け渡しはUSBメモリです。WiFi接続するのは、アップデートをチェックする時だけです。
2021/03/18 追記
Windows10のラップトップに変更したので、データの受け渡しはiCloud経由で簡単になりました。==>

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CNCフライス(2) 構成

編集: 2018/02/15

全体の構成

CAD、CAM
 - CAD: LemkeSoft: CADintosh (MacBookPro)
 - CAM: Vectric: VCarvePhotoVCarve (WindowsXP)

コントローラ
 - Mach3 R 3.043.062 (WindowsXPデスクトップ、Mach3はパラレルポートが必要)
 - CADからのDXFデータ受け渡しはUSBメモリ

ブレークアウトボード (BOB)
 - HobbyCNC PRO 4Axisを使用
 - センサ入力やスピンドルON/OFFなど信号入出力の外部回路は自作

ステッピングモータ
 - XY軸:日本電産サーボ KH56KM2-901
 - Z軸:オリジナルマインド 42mm(型番なし)

リミットスイッチ
 - X、Yのホームポジションのみに透過型フォトセンサ取り付け

スピンドル
 - ER11コレットチャック
 - DCモータ直結 約6,000RPM (回転数検出に反射型フォトセンサ取り付け)

電源
 - ブレークアウトボード用: スイッチングレギュレータ24VDC/150W
 - スピンドルモータ用: 同じですが別系統にしてあります

大まかに分けると上のようになり、詳しくは、順序が前後するかもしれませんが記事を分けて書いていきます。

今後、各ページの内容を修正することがあります。

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CNCフライス(1) 作ってみる

編集: 2018/02/23

CNCフライスは、“自作”、”CNC”などで検索すると中国製のキットや小型の汎用フライスをCNC化している例が多いですが、長野県岡谷市の株式会社オリジナルマインド
から、まさにオリジナルの数種類のキットが出ています。国産キットは、この会社だけと思います。

同社でキット、コントローラ、Mach3などのソフト(ライセンス代行)、工具など必要なものを購入すればすぐにでも何か作ることができ、サポートも対応が丁寧です。さらに、材料、部品なども販売していて、自作ユーザーにはありがたい存在で、いろいろ購入したものは順次紹介します。

また、自作自慢の掲示板 というサイトを参考にさせてもらっています。
中身は「自作自慢の掲示板!」「挨拶雑談掲示板!」「何でも質問掲示板!」の三つに分かれています。厳密な区分はありませんが、質問やこんなの作りましたというようなことを投稿すれば、いろいろヒントをもらったりできます。
特定のソフトやメーカーに偏らず、汎用フライスをCNC化したユーザーも多く気軽に投稿できるのでお勧めです。投稿された内容からいろんな発見があり、運営されている方にはとても感謝しています。

もう一つ、たまたま近くにあったのが幸運だったんですが、ねじの松喜という会社があります。一般的なボルト、ネジ、ピンなどはたいがい在庫していて、1本(!)から買えます。特殊なものは取り寄せてもらえて、家人の勤める会社に頼まれた銘板用のパーカーリベットも翌日には手に入りました。
ホームセンターなどでは数本単位で価格も高く、欲しいものがないことも多いので、ありがたい存在です。

私はメカの技術屋だったので、退職を機にCNCフライスを自分で設計・製作してみようと思いついたのが始まりで、削るものをあとから考えるという変わった(?)方向で始めました。
作り始めて数年は、設計変更した部品を加工して現在の部品と入れ替えるという、何十年も前に学校で習った「工作機械の歴史」をなぞるようなことを繰り返して楽しんでいました。

最初は下のようなMDF材で作ったペラペラのもので、単にXYZがプログラム通りに動くという程度のものです。ボールペンを付けて、四角や円など入力した形が描かれた時は嬉しかったのを覚えています。
寸法がきっちり出ているのと表面が滑らかなのでMDFを使い始めたんですが、早い話がとても分厚い紙(!)なので、剛性というのは全く期待できません。

スピンドルは、マブチモーターの一番大きいのをタイミングベルトで減速しています。

減速にはタイミングベルトやVプーリーなどいろいろ作ってみましたが、どうしても音が大きくて長く苦労しました。今は、高トルクのDCモータ(eBayで購入)を直結することで解決しています。

余談ですが、モータ軸にコレットチャックを直結したものがブラケット付きでeBayなどにたくさん出ていますが、モータ軸のベアリングは軸方向の遊びが大きいので細かい加工には使えません。

 スピンドルは近くの鉄工所で作ってもらったもので、エンドミルなどを押しネジで固定するものです(6mmシャンク限定)。送りネジはM6寸切、ガイドはアルミアングル(アルマイト仕上)でMDF材を直接押さえています。
このころは、アルミを削るのに 切り込み 0.05mm 送り80mm/min くらいで、切削量は現在の1/100くらいでしょうか。ただ、送り寸法は結構正確で、ボルト穴やタップ下穴はセンタードリルで開けておいて、ボール盤でドリルを通せばきっちり合いました。

第2世代(?)として、本体フレームをアルミ板で作り直し、各軸の送りガイドはテフロン板を組み込んだものにしています (下の写真の赤丸の部分)。
スピンドルモータの減速や送りネジはMDF時代と変わっていません。スピンドルもベアリング剥き出しの簡単なもので、今から見るとよく削れてたな〜という思いです。

現在では、送りガイドをリニアガイド(Z軸を除く)に、スピンドルをER11コレットチャックに、送りネジを台形ネジ(Z軸を除く)になど、各部を変更・改良してきましたが、今に至るまで全体の構成は変わっていません。

アルミ合金なので残念ながら鉄鋼材料は削れませんが、アルミ材およびアクリルなどの樹脂材料はそこそこの加工ができるようになりました。

キットではなく、自分で考えて作ったCNCフライスについて、順不同ですがボチボチと書き綴っていきます。

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