公開: 2019/3/6
修正:2019/3/8
薬師寺東塔の水煙(すいえん)が造り替えられたということで、見に行ってきました。
公開は3月10日(日)までで、白鳳伽藍の拝観料が必要です。
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仏塔の上に突き出している金属製の装飾を相輪と言うそうで、透かしになった4枚の板状の鋳物が水煙です。
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新たに作られたのは、水煙とその上下部分などで、水煙は擦管(さっかん)という円筒形の部品の四方に嵌め込まれているようです。
羽衣をなびかせて笛を吹いている飛天(24体)の姿を浮き彫りにしていて、透かしの多い薄い鋳物を造るのはとても難しかったと思います。
薬師寺のすぐ横が、近鉄・西ノ京駅です。
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東塔を囲む素屋根
右手に見えるのは大講堂と金堂の一部で、西塔の相輪がわずかに見えています。
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西塔
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西塔は、最後の宮大工と呼ばれた西岡常一(にしおか つねかず)棟梁により、1981年に再建されました。西岡棟梁は法隆寺付きの宮大工ですが、薬師寺金堂の再建(1976年)もされています。
再建にあたって、建築関係の学者との大きな論争もあり、『樹齢千年の檜は千年持つ、鉄やコンクリートは持って数百年や』と現代工法を突っぱねた人です。
木材の乾燥収縮を見込んで東塔より約30cm高く作ったそうで、完成から40年近く経って丹塗りの色が落ち着いてきましたが、あと数百年経てば東塔のようになるのでしょうか?
お目当の水煙は人が多くて写真が撮りにくかったです。
一眼+でっかい望遠を持ったおじさんが割り込んできて、無理やりレンズを突き出すので、シャッターを切るタイミングでさりげなく(!)肩を当ててあげました。
1300年を経た水煙
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飛天の拡大
新しいもの
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1300年前のもの
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2月26日のTV報道によると、富山県高岡の伝統工芸高岡銅器振興協同組合(長い!)が製造を引き受けて、原型製作から鋳造までを各社で行なったそうです。
高岡は仏像や置物などの鋳物関係で有名なところです。
こういうものはロストワックス法で作るかなと思ったんですが、実際は上下の型を合わせる一般的な方法で、また、合わせた型を立てて鋳造していました。
材質は、銅93%、錫(すず)2%、ヒ素2% という特殊な成分でした。一般に青銅というと錫がもっと多いです。鋳造温度は1250℃だったそうですが、ヒ素の毒性って飛んでしまうんでしょうか?
鋳造後、酸やアルカリの薬品で発色させてオリジナルの色に合わせているそうです。
東塔の上に載せられてしまえば、こんなに近くで見られるのは何年先でしょうか。
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